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「草原の風の詩」を読んで [読み物]

新聞の新刊紹介で知り、随分前に図書館に予約していたのですが、
ようやく順番が回って来て読むことができました。
佐和みずえ「草原の風の詩」

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この作者の本を読むのは初めてでしたが、何でも愛媛県在住の双子の姉妹だそうですね。
子供の頃から2人で物語を書き始め、
少女小説から劇画原作まで沢山の作品があるそうなのでご存じの方も多いと思います。
わたしも一応、お名前だけは聞いたことがあったのですが、
サスガに劇画の原作を書いていただけあり、映像が目に浮かび、ましてや字も大きく、
とても読みやすい小説で、あっという間に読んでしまいました。
きっと、漫画好きな方にも読みやすいと思います。

物語は、日清戦争に勝利し、今度は大国ロシアを相手に日露戦争に突入しようとする、
ちょうど「坂の上の雲」や「蒼穹の昴」と同じ時代が舞台です。
列強共々、日本人の目も大陸に向けられていた時代に、
明治政府から内モンゴルの王宮に教師として数人の日本女性が派遣されたそうです。
恥ずかしながら、わたしはこの小説で初めて知りましたが、
そんな実在した明治の女性達をモデルとし、
作者曰く、シャム王家とイギリス人の女性家庭教師を描いた「王様と私」の日本版のようです。
それでちょっとだけご紹介しますと・・・

大陸に憧れを抱いていた亡き父の意思を継いで、
横浜の中国人学校で教師をしていた高見夙子(あさこ)は、明治政府の任を受け海を渡り、
北京から馬賊や匪賊(ひぞく)はたまたロシア兵が暗躍する道なき道を9日間もかけて、
内モンゴルのカラチン王府へと女学校の教師として向かいます。
ただ、ひとつ気懸りがあり・・・単に勉学を教えたい一心の夙子でしたが、
そんな本人の意思とは関係なく、もう一つ任務が課されていたのです。
それは、今までは隣国のロシアに傾倒していたカラチン王府を親日派へと導く任務でした。
そうやって、王府内に君臨する親露派の大臣の手で危険な目に遭いながらも
学校を知らない子供たちに勉学を教えるという自分の信念を持って、
女子教育を根付かせることに邁進するのでした・・・

それから登場人物も実在の方もいれば、作者が作った架空の人物もいます。
でね、その架空の人物の中に魅力的な謎の男が登場するのですが、
コレがただの歴史小説と違い、女性読者の心を掴みそうですね。
じつを言うと、わたしもその仲間ではありましたが~[わーい(嬉しい顔)]

このように、100年も前にこんな辺境の地に出掛けた日本女性が実在したことを知り、
また、刻々と移り変わる戦況なども忠実に書かれ、司馬先生のよりも分かりやすく・・・
そして、ひとりの若い女性としての身を焦がす恋や命がけのサスペンスもありで、
何ともドラマティックな歴史小説でありました。
いやぁ~映画好きなわたしとしては、どこまでも続く大草原を頭に描きながら、
いつかきっと、映像で観たいと思ったんだけど~~[揺れるハート]
その時には誰に演じていただこうかしら~~[るんるん]

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コメント 19

よしあき・ギャラリー

表紙の女性に惹かれて読みそうですね。 ^^;
by よしあき・ギャラリー (2010-09-18 14:38) 

虹子

こんにちは!
面白そう!!
歴史もの、女性の主人公、そして魅力的な男性・・・!!
心惹かれる要素がいっぱいですわ♡
この作家の方は知らなかったですが、なかなか人気なのですね^^
ご紹介ありがとうございます。

それから・・・三国志の記事も面白かったです。
歩くだけで楽しそう。皆さんかなり小顔でしたね^^;
by 虹子 (2010-09-18 17:14) 

Bonheur

>「王様と私」の日本版

colletさんのご説明もわかりやすいです。日清・日露のころに、中国に教師として派遣された日本女性がいたことも知りませんでした。
面白そうなので、早速、図書館で探します。
by Bonheur (2010-09-18 17:23) 

dolfin

新刊図書を予約され順番が来るまで心待ちにされていたことでしょうね。自分も何年か前までは少ないながらも図書館で本を借りて通勤電車の中で読んだりしていたのですが、最近電車の中で休息の時間になってしまいました(^^ゞ。

細切れ時間を活用するのは、仕事だけでなく、読書もそうなのかも・・・。
読書の秋。のろまなカメかもしれないけど、自分も久しぶりに読書してみようかなあ(^-^)。
by dolfin (2010-09-18 19:38) 

takanobu

おもしろそうな作品ですね。
読んでみたいです。
by takanobu (2010-09-19 00:44) 

collet

★よしあきさんへ
あら~お好みのタイプでしょうか?(~o~)
こちらの絵は、大野志信さんという男性だそうですが、
柔らかなタッチや綺麗な色使いでわたしも好きです~~(*^^)v

★ZOOさんお立寄りありがとうございます~^^;
by collet (2010-09-19 10:19) 

collet

★虹子さんへ
あっ、虹子さんもお好きかも!?
史実に忠実で、程良くラブサスペンスも盛り込まれ・・・
読書の秋の気楽な一冊としてお読みいただけますよ。
とにかくわたしは、
歴史と娯楽の匙加減の良さが気に入ってます~(*^^)v

三国志もご覧いただいたんですね~どうもありがとう!
あの石像については、わたしも正直驚きましたが、
まあ、等身大とのことなので・・・(';')

★Reiさんポチッとあしあとありがとう~~(^^ゞ
by collet (2010-09-19 10:31) 

collet

★Bonheurさんへ
何でも女性版「坂の上の雲」と評されたそうですが、
作者は最初から「王様と私」の日本版との思いだったそうです。

それに歴史が絡み、外蒙古と内蒙古についても、
簡単ですが触れられて、読んで良かったです。
コレ、日中合作映画にならないかな~(^^♪


★dolfinさんへ
図書館ってね、1度貸りると返却に行けば必ずまた!というように、
図書館へ通う如くになるんですが、
行かないと全く行かなくなってしまいますね。
その点今は、ネットで予約できメールで知らせてくれるので、
本当に読みたい物がある時にだけ利用するようになりました。

ところで、わたしは乗り物に乗っての読書は気分が悪くなるのでできませんが、
dolfinさんもこの際、通勤電車の中は目も休めた方がいいかもですよ~(^^ゞ
by collet (2010-09-19 10:55) 

collet

★今造ROWINGTEAMさんお立寄りありがとうございます~^^;

★takanobuさんへ
はい、そんなに長くないですし、
サラ~ッと読めてちょっとした時間潰しにもなりそうです。
あ~日中合作ならないかな・・・('_')
by collet (2010-09-19 11:00) 

collet

★galapagosさんお立寄りありがとうございます~

★ゆずさんもありがとうございます~~(^^ゞ
by collet (2010-09-19 11:16) 

たいちさん

時代背景が面白いですね。私も図書館に予約しておきますね。
by たいちさん (2010-09-19 15:15) 

collet

★たいちさんへ
そうですね!
特に奥様にオススメですよ~~(^_-)-☆
by collet (2010-09-20 10:29) 

hirohiro

話を読んだだけでも、面白そうですね!
「王様とわたし」のモンゴル版。

私はこの役を主演女優賞をとった
深津絵里ちゃんにやってもらいたい!
彼女なら、どんな難しいシーンも
うまく演じてくれそうで・・・。

で、女心をわしづかみにする架空の男性。
一体どんな役どころなのか・・・
一見悪そうなのか・・・、影のように
守ってくれるのか・・、イメージがわかんないけど
たとえば水嶋ヒロくん?違う?向井理くんかしら?
もっと年上?あらら、想像するだけでも
楽しいですー!
by hirohiro (2010-09-20 16:04) 

まぐろ

歴史好きな私も楽しめそうー。
おまけに漫画好きだからさらにOKですね。
今度日本に行った時に買ってみます。
by まぐろ (2010-09-22 05:35) 

collet

★hirohiroさんへ
面白そうでしょう~~(^^ゞ

>深津絵里ちゃんにやってもらいたい!
あのね、絵里ちゃんもいいのですが、チョッコシお歳がね・・・
このヒロインの夙子はまだ23歳なんです~(>_<)

それから、いろいろ考えてくれてどうもありがとう~~(#^.^#)
謎の男は、わたしも同じような人をイメージしてました!
ただ、素晴らしく敏捷性のある男なので他にもいないかと・・・
あっ、そういえば・・・水嶋ヒロくん、芸能界引退なんだって!?

★長瀞清流さんお立寄りありがとう~~^^;
by collet (2010-09-22 12:07) 

collet

★Shin.Sionさんポチッとありがとうございます~^^;

★まぐろさんへ
そうですね~一瞬漫画でも面白そう~と思いながら読みました。
ああでも、文庫本じゃないので、
お財布の中に余裕があればお買い上げ下さいませ~~(^^ゞ
by collet (2010-09-22 12:12) 

collet

★mikosukeさんはじめまして!お立寄りありがとうございます~^^;
by collet (2010-09-23 12:50) 

雀翁

面白そうなお話ですね。文庫本以外買う意志を持たず、日本の図書館へのアクセスのない私は、当分お預け状態になりそうです。

内モンゴルまで教師をしに行く女性、大変な行動力・決断力があります。明治維新後、日本が世界に目を向けた頃、たくさんの若い意志が冒険を当たり前のように引き受けていたんですね。海外留学に興味を持たなくなった現在の日本の若者たちとは、まったく違う価値観を持っていたのでしょう。

by 雀翁 (2010-09-24 12:42) 

collet

★雀翁さんへ
いえね~高いですよね!
言わずと知れて~わたしも文庫本しか買いません~~(^^ゞ

明治維新後の日本人には躍動感を感じますね。
とにかく今まで知らないことが多過ぎて、
イッペンに吸収しようとし、それがまたできたんですよね。
ところで、最近の若者は留学に興味が薄れてるのですか!?
知りませんでした~何でかしら・・・(?_?)
あえて困難な道に進みたくないとかって、アカンタレが増えてるのか?
by collet (2010-09-24 15:16) 

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