思い出のカーディガン：コレット.com：SSブログ

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「カーネーション」第５週までをみて・・・｜「カーネーション」第６週乙女の真心ブログトップ

思い出のカーディガン　[思い事] [編集]

ひと月ほど前の、急に、朝夕が肌寒くなった１０月はじめのことでした。
昨年までは、自分のことはちゃんと自分でしていたのに、
今年に入り、急に老いが加速したのか何もかもを面倒がり、
自分の着る服の入れ替えもしなくなった母の代わりに、
初めて、母専用の衣装ケースを開けた時のことでした。

もう、着なくなった半袖の夏服と、これから着る長袖の入れ替えをして、
ふと底の方に目をやると、とても懐かしい物があることに気付いたのです。
オフホワイトの地に、鮮やかな赤や黄色の模様が入ったそれは、
子供のころから編み物が大好きだったわたしが、
３０数年前に初めて編んだ、編み込み模様のカーディガンだったのです・・・

当時のわたしは、スキーにドップリ浸かっていた時期で、
寒くなり、各地で雪情報が聞けるようになると、ジッとしておれないほどでした。
そんなある時、三宮センター街の裏通りにあった小さなスキー専門店で、
輸入物の何とも言えない綺麗な赤のスキーパンツを見付けたのです。
太畝のコール天地で、見るからに暖かそうなソレがイッペンで気に入り、
今はもう、いくらしたかも忘れましたが、即決して買い求めたのでした。

そして今度はそれに合う、晴れた日に着て滑るスキーセーターも欲しくなり、
いろいろ探したのですが、なかなか気に入ったのが見付からず、
だったら自分で作ろうと思い立ったのでした。
そして、今はもうなくなった輸入毛糸が豊富に揃う三宮の毛糸屋さんへ行ったところ、
ノルウェーの素敵な編み込み模様の図案を紹介した輸入本を見付けたのでした。
生憎、書かれている文字は理解できませんでしたが、図案さえあればこっちの物！という訳で、
その本を買い、毛糸も同じノルウェー製で揃えたのでした。

ただ、子供の頃から母に教わり、いろんな物を編んではいましたが、
何色もの糸を使っての編み込み模様を編むのは初めてでした。
それで最初は、どうやれば綺麗な編み目になるのかと試行錯誤しましたが、
何回か、編んではほどいてを繰り返すうちコツを掴み、
数日間で編み上げたのがこのカーディガンだったのです・・・

赤いパンツに合うように、赤のポイントを付けようと、
セーターではなく、前明きのカーディガンにし、赤のファスナーを効かせました。
そして、これが仕上がった時、自分でも「ナカナカやん～～

」と悦に入っていたのですが、
そんな作った本人であるわたし以上に、色といい、柄といい、母が大いに気に入って、
「初めて編んだとは思えない。我が娘ながら大したもんやん～

」と、褒めてくれたのでした。

そしてコレを着て、２シーズンほど滑ったでしょうか？
白銀にこの色柄が映え、自分でも大いに気に入り、毎日のように着ていたのですが、
その内、今度はグレーのサロペットタイプのパンツを見付け、
それに合わせ、今度はグレーを基調としたカーディガンを編み、
いつの間にやら、このカーディガンを着ることもなくなったのでした。
すると、姉の一人が「わたしが着る」と言い出し、
彼女のタンスの中に数年あったようですが、いつ頃か？その姉も着なくなり、
それ以来、わたしは何処にあるのかさえ気にすることもなく、
誰かにあげたのだろうと、スッカリ忘れてしまっていたのでした。

それが、母の衣装ケースの中にあったとは・・・
自分が着るわけでもないのに、どうしてこの中にあったのか？
単に、貰い手がなかっただけかもしれませんが、一生懸命に編んでる娘の姿を見て、
また、あれほど気に入り褒めてくれたほどだから、手元に置いておきたかったのかもしれません・・・
今となっては、そんな母の真意を問う気にもなりませんが、
大事に仕舞ってくれてたことを嬉しく思いながら、
懐かしさと共に、元気で溌剌としていた当時の母の姿を思い出し、
何かと手が掛かるようになった老いた母を娘として、とても寂しく思ったひと時でした・・・

タグ：手編みカーディガンジャケット老母老人介護思い出ノルディック柄

2011-11-09 15:42 あしあと(13) コメント(19) トラックバック(0)
共通テーマ：日記・雑感

あしあと 13

心の芯まで、ゴッツウ暖かくなりました。＾＾）ｖ
by よしあき・ギャラリー (2011-11-09 17:52)

こんばんは。
とても手の込んだ編みこみ模様のカーディガンですね☆
数日間で編まれたなんて、すばらしいです(◎_◎)
お母様が衣装ケースにしまわれていたなんて、なんだか切なくなってしまいます。
きっと、colletさんが編まれたカーディガンが、愛しかったからですね☆
これからも、お母様をお大切になさって下さいませ。
私も同様に、母のことを大事にしなければと改めて感じました*＾＾*
by Rita (2011-11-10 00:30)

温かいカーディガンですね
by pace (2011-11-10 11:22)

★よしあきさんへ
あら～そうですか？
多少の節電に役立ったかしら～(~o~)

★今造ROWINGTEAMさんお立寄りありがとうございます～＾＾；
by collet (2011-11-10 13:26)

★Ritaさんへ
コレね、並太毛糸で編んでるので、意外と早く出来るんですよ。
じつは、コレを皮切りにこの後、家族や友人のを編み、
中でも父は、亡くなるまで、冬になると必ず着てくれてました。
そして母も、昨年の冬には着てくれてましたが、さて、今年はどうでしょう？
まだ何処にあるのか解りませんが、その内探そうと思ってます。

大事にしなきゃと思いつつ、ついつい言葉荒くなりがちで・・・
時々、こうやって昔のことを思い出すと切なくなり、
その度に反省する毎日です～～(^^ゞ

★まぐろちゃんお立寄りありがとうございます～＾＾；
by collet (2011-11-10 13:46)

★wattanaさんお立寄りありがとうございます～＾＾；

★paceさんへ
コレ、本当に温かいんですよ～～
何てったって、糸が何本も渡り何重にもなってますので!(^^)!
by collet (2011-11-10 13:49)

こんばんわ！
素敵なカーディガンですね。
何年も前のなのにちっとも古く無いです。
定番のものの良さと、皆さんが大事に着ていらしたのが
良く分かります。
お母さんのお世話をする間に
衣装ケースとか押入れとかから、まだまだ懐かしいもの
大切な品が発掘されるに違い有りませんよ。
大変でしょうが、一緒にいられる時間を大事になさってください。

それにしても、赤いファスナーと言いおしゃれだわ！
by シェルティ (2011-11-10 22:17)

★シェルティさんへ
そうですね、色もそれほどに褪せてないようだし、
まだ充分に着られそうですね。

そういえば、わたしに代わり着た姉にもこれがあったと話したら、
もう無いと思っていたようで驚いてました。
きっと、おっしゃるように、これからも意外な物が出てきそうですね。
とにかく、急に何もしなくなってしまい、
人間が老いるとはこんなのかと思い知らされてます～(ーー゛)
by collet (2011-11-11 12:20)

素敵なエピソ－ドとともに大切にとってあった思い出のカ－ディガンとの30年ぶりの対面。心が揺さぶられます。デザインや編み方のことはわかりませんが、とてもしっかり編んであるように見えます。

実家に、25ほど前に妻が編んでくれたセ-タ-がありますが、私の体重が2倍くらいになると想定して編んだのではないかと思うほど肥大化しています。私の体重は結婚当時のプラス3％くらいです。

お母上様が、健康でご長寿であられることを願っています。

by 雀翁 (2011-11-11 13:05)

素敵なカーディガンですね。とても色合いが良く、白銀に映えますね。これは、きっとお母様の宝物の一つでしょうね。
by たいちさん (2011-11-11 14:18)

★雀翁さんへ
何だかね・・・(-"-)
最近は、やたら思い出すことが多くなりました。
それはやはり、生きて来た年数が増えた証拠でしょうかしらね・・・

ところで奥様、チョイと見誤ったようですね～(~o~)
せっかく、先を見越して大きめに編んだのに、
雀翁さんはそちらのタイプじゃなかったようで？
まあ、今更変わることもないでしょうし、
いつか解いて、編み直して貰ってくださいませ～
あっ、肥大化した分、将来出会うであろう、
可愛い孫とお揃いで着られるかもですよ～(*^^)v

すでに長寿の母ですが、お陰さまで先はまだ続きそうです～(^'^)

★たいちさんへ
＞きっとお母様の宝物の一つでしょうね。
たいちさん、どうもありがとうございます～(#^.^#)
そうですね、そうかもしれませんね！
そうだったら、わたしも嬉しいです～～♪
by collet (2011-11-12 12:49)

とても複雑な編み込み模様をはめてというにもかかわらず僅か数日間で編み上げたとは・・・・恐れ入りました。
お母様が大事にしまわれていたのも納得です。

20代の頃、私も手編み物に凝った時期がありましたが、未完成の作品も数多く、ましてやこんな手のこんだものは無理でした。それらの行方はしれないのですが、今みたらとてもダサイデザインかも。collet さんはやはりセンスが違いますね。

そういえば、30数年前、北欧風のニットがはやっていたようで、札幌にオリジナルのニットを売るお店があるというので、妹の知人に買ってきてもらいました。太い毛糸でしっかり編まれており冬はコート代わりに愛用していました。でも今は納戸の奥深くに眠っているのでしょうか。

by ジョージ (2011-11-13 17:22)

30数年前のものが、ちゃんとお母様が保管されていたなんて
ステキなお話ですね。

きっと・・・
衣替えの時に見ては、懐かしく思っていたんでしょうね。

by みなりん (2011-11-14 12:31)

★ジョージさんへ
近所の幼馴染みと一緒に、「ままごと」遊び同様に、
編み物をして遊んでいたので、手に馴染んでいたのかもしれませんね。

２０代の頃は、わたしも本当に編みましたよ～(^_-)-☆
とにかく編む行為が好きで、出来あがったものはどうでもよくて、
着てくれる人がいればサッサとプレゼントしてました。
で、わたしが着なくなったのは母が解き、母がまた何かを編んでました。
そんな訳で、我が家には残り毛糸がイッパイです～(~o~)

北欧風のニットが流行ってる時期がありましたか！？
そういえば、カウチンセーターが流行した時期もありましたね！
あれは、極々太くらいで編むので編み上がるのは早いですよ～(*^^)v
by collet (2011-11-14 13:49)