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映画「ホームランが聞こえた夏」 [韓国映画]

日本での劇場公開は、8月27日からでした。
でも、なかなか神戸での上映はなく、指をくわえて待つこと3ヶ月・・・
ようやく、上映されることとなり、喜び勇んで観てまいりました~~[揺れるハート]

ホームランが聞こえた夏
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監督は「シルミド」や「黒く濁る村」が日本でも公開されたカン・ウソク監督です。
韓国映画界では一大ムーブメントを起こした、60年代生まれの監督でヒット作も多く、
わたしも骨太で男臭い作品が多い中、何作か好きな作品があり、
特にソル・ギョング主演の「公共の敵」シリーズが好きでした。
そんな今までの作品と比べ、少し違いがあるように感じた今回の作品は、
実在するろう学校の野球部での実話を基に作られたそうです・・・

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映画の始まりは、中学野球大会で起こった出来事から始まります。
天才ピッチャーと言われながら、その大会で突発性難聴を起こし、
聴覚障害者となってしまったミョンジェ、
彼が進学した高校は、聴覚障害者のためのソンシム学校高等部でした。
そこには、わずか10人と弱小ながらも野球部があったのですが、
もう二度と野球はしないと、心に固く決めていたのです。
そんな時、LGツインズの国民的スター選手で三年連続MVPにも輝いたことのあるサンナムが、
度重なる暴行事件のため、とうとう謹慎処分となってしまい、
仕方なくマネージャーに連れられ、ソンシム学校野球部の臨時コーチとしてやって来るのです。
初めは全くやる気のなかったサンナムですが、
ある夜、ミョンジェが一人、黙々と投球する姿を見て、
ただただ野球が好きで、一生懸命打ち込んでいた自分の高校生時代を思い出し、
あくる日、ミョンジェに「一緒に野球をやろう」と紙に書き、説得するのでした。
そうやって、ミョンジェを投手に迎えたものの、練習試合で「自分一人で勝てる」と、
キャッチャーのサインを無視するミョンジェに、チームプレイの大切さを教え、
また、弱い相手に手加減する相手選手には、
「同情されたらやる気をなくす。踏みにじってもいいが、立ち上がる力は奪うな!」と、
同じ野球をプレーする者として、本気のプレーを望むのでした。
そんな手荒さはあるけれど、本気で強くさせようとするサンナムを見て、
生徒たちも本気で勝ちたいと練習に励み、全国大会での悲願の一勝を目指すのでした・・・

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主な出演は、サンナムにチョン・ジェヨン
カン・ウソク監督の前作「黒く濁る村」では初の老け役を演じるなど、
数々の話題作に出演し、演技賞受賞も多く、演技派として活躍しています。
わたしが端役ではなくメインとして、初めて彼を見たのは10年ほど前ですが、
当時は日本の田辺誠一に似てるイケメンだった彼も、今やシワの数が増え、
ピークの過ぎた野球選手役もピッタリで~[手(チョキ)]
これからも、シブい役が似合う俳優としての活躍が楽しみとなりました。

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そして、野球部監督で教頭先生を演じるのは、
カン・ウソク作品には必ず出演していますカン・シニル
TVドラマでも、名脇役として出演作が多く、わたしも好きな俳優の一人です。
また、野球部員のお母さん的な存在で、サンナムとは何かと衝突しながらも、
2人の将来が気になる音楽教師役にユソン
ユソンも「黒く濁る村」に続いての出演で、
サンナムと丁々発止のシーンでも息がピタリと合い、面白かったです~[わーい(嬉しい顔)]

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それと、撮影3ヶ月前から野球と手話の特訓を受け、見事に演じた若手たち・・・
ミョンジェを演じたチャン・ギボムにキャッチャーのデグンを演じたキム・へソン
彼らは初めて知った若手俳優たちですが、セリフのない難しい芝居を表情だけで演じ、
若者らしい爽やかな印象と共に、彼らのお芝居も心に残りました。
あっ、それともう一人、ショート担当のイ・ヒョヌは名子役だったそうですね。
何でもかの「太王四神記」にも出演してたそうだけど、何の役だったのかしら?
おっと、その「太王四神記」でもう1人思い出した~[ひらめき]
忘れてはいけませんね~キム・ミギョン
確か女鍛冶屋役だったと思いますが、
ここでもシスターの校長役で異彩を放っていたのを付けくわえておきましょう~[ぴかぴか(新しい)]

観に行く前から、カン・ウソク監督のこと・・・
きっと、弱小チームの快進撃だけが描かれているのではないだろうとは思っていましたが、
案の定、野球を通して、人の在り方を涙と笑いと共に描いた感動作でした。
そして中でも、わたしが強く感じたのは、サンナムと高校野球のチームメイトで、
今はマネージャーとして彼の為に奔走するチャルスとのチング愛でした。
実際にあんなチングがいたら、反対に心の負担になるのでは?とも思いましたが、
大の男2人が抱き合い「もう疲れた、辞めよう」と泣くシーンでは、
嫌でも涙が出て、ハンカチ探しに苦労したわたしです・・・

ところで、ここからは余談になりますが・・・
今朝のニュースで、韓国でのゴルフ界あげての選手育成を紹介していましたが、
野球も同じで、高校野球部は全国で50数校しかなく、
少数精鋭制で、プロ野球予備軍としての要素が大きいそうです。
ですから、韓国の甲子園と称される「鳳凰杯」でも地区予選などはなく、
出場校全てが“全国大会レベル”で出場するんですね。
で~そんな中、この映画に登場したソンシム学校野球部は、
強豪からの一勝を目指し、日々、練習に励んでるそうですよ~~[あせあせ(飛び散る汗)]

あ~それにしても監督~海での練習は要らなかったのでは~[ふらふら]
だって~こんなん、野球道具が海水で目茶苦茶になりますやん!?
かのイチローだって言ってますよ~[手(チョキ)]
親に買ってもらった道具は大事にしようって~~[ぴかぴか(新しい)]

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あしあと 10

コメント 14

たいちさん

反日映画で話題になった監督ですね。今回のスポコン物は、私の好きな野球がベースですので、機会あれば観たいですね。
by たいちさん (2011-11-23 18:29) 

よしあき・ギャラリー

プロの予備軍的とは、いかにも韓国的という気がします。
この世界も、日本はいつか抜かれそうです。^^;
by よしあき・ギャラリー (2011-11-24 06:14) 

雀翁

韓国の人に、日本の高校野球や甲子園の話しをすると、まったく違う反応が返ってきます。高校まで野球をするのは、極一部の生徒でその大半がプロを目指す子供たちであると。逆に、プロにならないなら、何故、高校で野球をするのか?勉強していい大学に入り、大会社を目指すべきではないのかと...日本のように教育の一環としてのスポ-ツや部活というコンセプトは今も所ない(または希薄)ようです。目的意識がはっきりしてるなとは思いますが、子供たちが成長していく過程で大事なことを飛ばしてしまっているような気がします。かつての日本のように「お金」または「成功」に対する執着や意識が強いのだろうと思います。

道具は大事にすべきですね。イチロ-はえらい。
野球の道具というと、今でも熊本農林高校の左門豊作を思い出します。


by 雀翁 (2011-11-24 12:17) 

みなりん

野球好きなら見ておきたい映画のひとつですね。
ブラピもどうするか悩んでいますが・・・

確かに海の練習はどうなんだか?
何か違ったものを取り入れることによって練習を頑張っているぞ!
みたいなアピールをしたかったのでしょうか?
by みなりん (2011-11-24 12:39) 

collet

★たいちさんへ
そうですね~「韓半島」ではいろいろありましたね。
で、ああいうのと比べると、こちらは随分違った印象です。
とにかく笑いも多く、楽しめますよ~(^^ゞ

★Ritaさんお立寄りありがとうございます!
by collet (2011-11-24 15:17) 

collet

★よしあきさんへ
そうですね~(-"-)
何事もこんな風だと日本は太刀打ちできませんね。
今や、日本でのゴルフ大会でも韓国選手ばかりが目立ちますものね・・・


★雀翁さんへ
ソウル在住者の生々しいコメントをありがとうございます!
そ~なんですか・・・
日本とは、部活としてのスポーツに対する考え方が全く違うんですね!
では、休日の親子でのキャッチボールなんてのもないのかしら?
でもそうなると、スポーツ愛好家の数も少なそうですね・・・
あっ、そういうこともあり、登山人口が多いのかしら?
登山だと競うこともないですし~~(^^ゞ

ところで、熊本農林高校の左門豊作ってダレ?
何ともマンガチックな名前から察するに、
少年時代に読んだマンガのヒーローかしらん(?_?)

by collet (2011-11-24 15:35) 

collet

★マチャさんお立寄りありがとうございます~^^;

★みなりんさんへ
ブラビのも良さそうですね!
で、こちらはもう、そちらでの上映は終了してると思います。
とにかく、わたしは3ヶ月も待ったもので~(^^ゞ

昔の青春ドラマのように、海での特訓シーンを入れたかったのかも!?
でも、それならランニングだけにしておけばいいのに、
膝まで海に浸かりキャッチボールするシーンもあり、驚きましたよ~(~o~)
by collet (2011-11-24 15:42) 

雀翁

おお、左門豊作をご存知ない?
ほんまですか?

ま、そうでしょう。左門豊作は、漫画、「巨人の星」のヒ-ロ-の一人です。熊本の貧しい家に生まれ、5人(だったかな?)の弟妹を高校生の身で育てていました。高校野球で甲子園に出てスカウトの目に留まり、プロ入りをしたいと願っていました。貧しさゆえ、バット一本もとても大切に扱うのいです。甲子園の準決勝で星飛雄馬と対戦しますが、敗れてしまいます。事情を知る星飛雄馬は、自分との対戦に敗れたことによって左門豊作がプロからスカウトされないのではないかと心を痛めます。そして巨人の川上哲治が左門豊作をスカウトすることを決めたということを聞いて、「よかった」、星飛雄馬は左門豊作の肩を抱き、涙を流して喜びます。「わしら、貧しか姉妹のために、このに世で初めて、星君が泣いてくれたとです」、左門豊作も感涙にひたります。まことにくさい筋ですが、今書いていて私も涙が出そうになっています。

by 雀翁 (2011-11-24 17:53) 

般若坊

ご来訪ありがとうございました。韓流ドラマが大流行ですが、その源流がわかるような気がします。
日本のディレクター達が忘れてしまったもの・・・日々の暮らしの中の感動を今、韓流ドラマは熱く表現しているからですね・・・
日本は速く初心に戻るべきです。そう思います。
by 般若坊 (2011-11-25 12:44) 

collet

★雀翁さんへ
>おお、左門豊作をご存知ない?ほんまですか?
そんなモン知らんがな~(;一_一)(糸子風に)

少年漫画など、読んだこともなく・・・
また、TVアニメにも興味なく・・・
お陰で「巨人の星」のストーリーなど、皆目存じません~~(^^ゞ

それにしても、「巨人の星」が雀翁少年に与えた影響は、相当なようで!
よぉ~憶えてはりますね~~(+_+)
いやぁ~コメントを読みながら、ふと頭に映像が浮かぶほどで~
詳しい解説をありがとうございました~~
おかげで、感涙にひたる星飛雄馬と左門豊作の姿が
この映画でのサンナムとチャルスに入れ換わりましたわ~~(T_T)

★wattanaさんお立寄りありがとうございます~~^^;
by collet (2011-11-25 13:33) 

collet

★般若坊さんへ
こちらこそ、コメントをありがとうございます~^^;

わたしは元々が映画好きで、特に今は韓国映画が大好きでよく観ますが、
ドラマは滅多に観なくて、韓国のも日本のも詳しくないのです~(^^ゞ
とにかく、チンタラ続くドラマは苦手で、
本当に気に入ったのしかチャンネルを合わせません。
で、今は「カーネーション」だけに合わせてます~(*^^)v
by collet (2011-11-25 13:46) 

collet

★みんこさんこちらにもアリガトさん~~^^;

★alba0101さんもありがとうございます~♪
by collet (2011-12-01 14:23) 

シェルティ

こんにちは!
左門豊作知ってますとも!
私たちの年代では,巨人の星は、常識です(笑)
さすがに、>熊本農林高校は知りませんでしたが
雀翁さんの、韓国学校事情説明に納得。
先日、’bs歴史館’で李王朝の王妃についての放送を見ました。
その中で教育熱がすごいのは’科挙制度’があったからと言ってました。
ある程度身分が無いと’学問’もできないでしょうが
4年に一度の試験に受かれば出世ができる実力主義が
韓国の人のDNAに受け継がれているのですね。
それに比べ250年世襲制度を守ってきたDNAが日本人には(笑)

話、それてましたね。
先週、マネーボール見ました。
清○さんもあの経営方式を取り入れていたのね~
by シェルティ (2011-12-03 13:10) 

collet

★シェルティさんへ
>私たちの年代では,巨人の星は、常識です(笑)
こう言われてもなァ・・・すぐ上の姉はファンだったけど~(~o~)

ところで、BS歴史館はわたしも見ましたよ!
面白かったですね~~
中国も同じだけど、韓国の場合は、
本家以上に科挙の影響が残ってますね。
ただ、科挙の試験を受けられるのは両班に限られてたから、
真実の実力主義ではないんじゃない~(^^ゞ

マネーボールはわたしも興味あるんだけど・・・
その内、TVでもあるだろうと思って行ってません。
TVでした時には絶対に観ますね~~(^_-)-☆
by collet (2011-12-03 16:39) 

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