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映画「ハウスメイド」 [韓国映画]

久々のご贔屓俳優イ・ジョンジェの出演映画ということで観て参りました。
ましてや監督が、パク・チョンヒ大統領の暗殺事件を描いた「ユゴ 大統領有故」や、
80年代の軍部独裁に反対する活動家を主役とした「なつかしの庭」など、
社会派のイメージのあるイム・サンス監督だというので、
監督の作品には初参加となるジョンジェの俳優ぶりにも大いに興味が湧いたのでした・・・

ハウスメイド
01.jpg 01-1.jpg

原題は「下女」といい、1960年に今は亡きキム・ギヨン監督が制作し、
当時の韓国映画界では一大センセーションを巻き起こしたという、
同名の話題作のリメイク版です。
ただ、リメイクと言っても登場人物の人物像もストーリーも全く違い、
監督であるイム・サンスが「下女」を原作とし、脚本も書き変えたそうで、
どうも、リメイク版とは言い難いようですね。

ちなみに、インタビューでイム・サンス監督は、
「現代韓国の階級問題を、正面からずうずうしく描きたかった」とお話でしたが、
外国人のわたしには、どうもそんな風にも見えないけど・・・
今の韓国では、中産階級が崩壊して、貧富の差が大きくなってるんですってね。
で、そんな時だからこそ、階級格差から生じる、
人々が受ける耐え難い侮辱を描く機会だと思ったんだそうですよ。

映画のオープニングは、
ソウルの繁華街で起きた女性の飛び降り自殺のシーンからでした。
その現場近くの食堂で働く離婚経験のある無口なウニは、乳児教育科出身ということで、
近々、双子が生まれる大金持ちの邸宅のメイドとして働くことになるのです。
妊娠中の妻と6歳の娘の世話が主な仕事で、
慣れないながらもウニはこの仕事を楽しんでいたのです。
そんなある日、雪が積もる別荘へ行く主人家族に同行し、
その夜、ワイン片手に自分の部屋を訪ねて来た主人フンの誘惑に誘われ・・・
本能的に女としての幸せを感じたウニはそれからも誘われるままに関係を続け、
不本意ながらもフンが差し出す小切手を受け取るのでした。
でも、とうとう、ウニを推薦してくれた先輩メイドのピョンシクの知るところとなり、
ウニの妊娠まで見破ったピョンシクの口から、妻の実母や妻にも知れ、
大金も望まず何も言わず、ただただ退職して子供を産みたいと言ったウニは、
無理矢理、堕胎されてしまい、そのショックから、彼らに復讐すると決めたのでした・・・

01-3.jpg

出演は、主役のウニにチョン・ドヨン
2007年カンヌ映画祭 女優主演賞に輝いた、韓国が世界に誇る演技派女優の彼女ですが、
これは第一子出産後、初めての作品でしょうか?
到底、一児の母とは思えない、いつもと同じ潔い脱ぎっぷりで、
母となっても何ら変わらぬ彼女の女優魂を見たようでした。
ただ、ジョンジェのフンにも感じましたが、人物像がハッキリしておらず、
せっかくの彼女の演技がチト勿体なく感じたんだけど・・・

そして、お金持ちの勝手な男フンを演じたイ・ジョンジェ
久々に大きなスクリーンで姿を見ましたが、相変わらずカッコいい~[ぴかぴか(新しい)]
でもって、20代半ばだった「情事」以来かな?こんな濡れ場を見るのは?
30代後半となっても、この映画の為にか?体を鍛えてるようで、
引き締まった筋肉がギリシャ彫刻のようでありました。
でも、ウニ同様にイマイチ人物像がハッキリせず、
観終えた後に物足りなさを感じたのは、
何も贔屓にしてるわたしばかりじゃないと思います~[あせあせ(飛び散る汗)]

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また、その他の出演者では、この映画では大事な存在ですね。
先輩メイドのピョンシクをユン・ヨジョンが、
イム・サンス作品には、「浮気な家族」以来の出演ですが、
今回もあの時と同じ様に、60代の彼女の下着姿があり・・・
TVドラマでの母役が多い彼女の事、初めてご覧になった方は驚かれたかもですね。
息子が検事になるにあたり、相当なバックアップをして貰ったようで、
不本意ながらも妻の実母の手下となり、そんな自分に苛立つピョンシクを
あのいつもの低めの声で巧みに演じ、この年の各映画祭で助演女優賞に輝いています。

そしてついでに面白いところでは、
「大王四神記」でお馴染みのムン・ソリがカメオ出演してましたね。
お気づきの方はいらっしゃいましたでしょうか?

それにしても、耐え難い侮辱はヒシヒシと伝わりましたが・・・
復讐だと言いながら、本当にあのラストでいいのかしら?
それと、雪の中でしゃがみ込んでのシーンなど、
やたら無駄なシーンがあったように思え・・・
どうもわたしは腑に落ちないんだけど~[ふらふら]

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あしあと 9

コメント 12

よしあき・ギャラリー

今、評判の映画のようですね。
新聞を見る度、気になっていました。^^
by よしあき・ギャラリー (2011-09-10 18:11) 

collet

★よしあきさんへ
そうですね、夕刊などにも広告がのってますね。
でも、正直言って・・・
あまり大きな声ではおススメ致しません~(^^ゞ

★世界俳句連盟さんお立寄りありがとうございます。

★Ritaさんもありがとうございます~~^^;

★wattanaさんもありがとうで~す!
by collet (2011-09-11 10:38) 

みんこ

colletさん、こんにちは。お久しぶりですぅ。
3ヶ月近くブログ生活から遠ざかって過ごしてしまいました。
心機一転、模様替えして再開しました。また、お暇なときにでも
遊びにいらしてくださいませ。
訪問もお休みしていたので、ゆっくり過去記事も読ませて
いただきますね。
ちょっとお時間がかかるかもしれませんが、お許しを。
韓国モノは、なんだかあまり興味を持っていないんですよね。
何って訳じゃないのですが…。出遅れたためかしら?
by みんこ (2011-09-11 14:38) 

たいちさん

怖そうなストーリーのようですね。テレビの韓国ドラマでよく見る俳優も出ているので、機会あれば観たいですね。韓国男優は肉体派が多いですよね。
by たいちさん (2011-09-11 16:28) 

kaoru

こんばんは^^

去年の釜山映画祭で見たので
言葉の壁があったけれど
あまりセリフが多くなかったから??な感じではなかったですが
ラストシーンは
わたしのおつむでは??でした

上映後は
監督とチョン・ドヨンさんとユン・ヨジュンさんのティーチインのあと
ユン・ヨジュンさんが映画祭委員長からなにかをわたされてたから
なにか受賞したのかも

挨拶の時監督がとっても嬉しそうだったんですけど
この二人を使って映画を撮れたらそりゃ嬉しいだろうね
なんて
ちょっとさめて見てました^^;

限定上映の
『特別市の人々』の方がハンソン君がでてるからというだけじゃなくて
よかった気がするんだけど・・・

話しがそれちゃうけど

今年の映画祭は日本映画がたくさん出展されるのに
韓国映画が少ないんです・・・
最近はあまり作られてないんでしょうかね?

それに比べて日本はたくさん作ってたのね^^:
by kaoru (2011-09-11 23:33) 

kaoru

しまった!
『特別市の人々』が限定上映されてたのはおととしでした!
去年は
チケットが取れなくてこの映画しか見られなかったんでした・・・


by kaoru (2011-09-11 23:40) 

collet

★みんこさんへ
お~~お久しぶりですゥ~~(^o^)/
3ヶ月近くものご無沙汰だったんですか~~!!
まあ、わたしの周りにはそういうブロガーは沢山いますが~(~o~)
で、心機一転なんですね!
では、後でお邪魔させていただきますね~~♪

わたしの韓国映画好きはもう10年以上前からでして・・・
韓流ドラマは一切観ませんが、映画にはドップリとはまってます~(^'^)


★たいちさんへ
いえいえ、チッとも怖くなんかないですよ~~(^^ゞ
一応、サウペンスとか言われてますが何処がやネン!?って感じで・・・
主役の2人は映画中心の俳優ですが、昨今はドラマにも出演してましたね。
韓国男性は、兵役があるので一般男性でもイイ体をしてるようですよ~(*^^)v
by collet (2011-09-12 11:09) 

collet

★kaoruさんへ
ああ~そうだったね!
昨年の釜山映画祭でご覧でしたね~(^^ゞ
ところで、あのラストはわたしも???でしたよ。
どうしてああなるのかが解らなくて・・・(;一_一)
あれじゃあ、チッとも復讐にならないじゃないのよね!?

ユン・ヨジョンはこの映画で助演女優賞を総ナメしたようですね。
確かに、この映画の中では彼女が1番光って見えましたし~♪
ただ、映画自体はそんな大きな賞に値するほどではないように思えましたね。
何だか、監督の自己満足の映画のようで~(?_?)

それにしても、韓国で開催される映画祭なのに、
韓国映画の出展が少ないとはどういうことでしょう?
ああでも、ここ何作か、わたしが観たいのが日本上映されます。
楽しみだ~~(^^♪

あっ、今年も楽しんで来てね~~(^_-)-☆
by collet (2011-09-12 11:31) 

雀翁

韓国は確かに今も、階級社会的な面があるように感じます。ただ、誤解を恐れずに言うなら、階級の上の方にいる人たちも、ごく最近成り上がった、単なる成金たち、しかもその成金になる過程は、けっして大きな声で言えるものではない...要は、日本もそうなのかもしれませんが、単なる「金さえ持ってれば」という感じです。「誰かには恩がある」とか、「世話になった」という連鎖の絆は固いようです。この映画のストーリーは知りませんが、そんなこともあるのかなと思ってしまいます。
 
by 雀翁 (2011-09-12 15:42) 

シェルティ

こんばんは!
イ・ジョンジェ、チョン・ドヨンでしょ?
新聞にも載ってたし、見ようと思ったけど
ちょいと暗そうで迷ってました。
大きな声では勧めないのね。。。
では、やめます(笑)
TV番宣だけで、「ツリー・オブ・ライフ」を見てがっかりしたので
9月に見る映画探し中です。

貧富の差は、日本でも。。。
若い人に職を!(ぢや、まず私が退職?)

by シェルティ (2011-09-13 19:33) 

collet

★雀翁さんへ
サスガ~~!(^^)!
ソウル在住者らしいコメントをいただきありがとうございます。
とにかく、何処の国でもそうでしょうが・・・
韓国は特に、歴代の大統領の賄賂云々の事件が多いように、
やはり「金さえ持ってれば」がまかり通ってるようですね。
それにしても、中産階級が崩壊しちゃうと、
雀翁さんのお仕事も少なからず影響が!?


★シェルティさんへ
そうですね・・・決して明るい映画ではないですね。
何しろ、復讐だから・・・(;一_一)
でもって、我々にとっては肝心のジョンジェも、
女性が主の映画なので登場シーンも少なめです。
まあ、久々にモムチャンぶりは見られますが~~(#^.^#)

働く場がなかなか無く、本当に日本も貧富の差ができてますよね。
ましてや、災害も多く、
これからこの国はどうなるのでしょう・・・(-"-)
by collet (2011-09-14 12:45) 

collet

★minKさんこちらにもありがとうございます!
by collet (2011-09-16 11:34) 

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