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『家族の誕生』 [韓国映画]

ただいまシネマートにて開催されています。
韓流シネマ・フェスティバル2008春
今回も14作品が公開されています。詳しくはこちらへ
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そして、2006年制作のこの家族の誕生もその中の一つで、
この14作品の中での1番の秀作ではないかと思います。

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監督は当時37歳のキム・テヨン監督で、脚本にも携わっています。
わたしはこの監督の作品はこれが初めてでしたが、どうして観たかといいますと、
この映画、国内外でたくさんの賞を受賞してるんですね。
ましてや、昨年の大鐘賞映画祭では、日本でも話題になり韓国では大変な観客動員数を誇った
「グエムル~漢江の怪物」を退けて最優秀作品賞を受賞しているのです。
それで、どこがそんなに素晴らしいのかとこの目で確かめたかったのです。

主な出演は、ただ今、ハイビジョンでの太王四神記で初ドラマに出演中のムン・ソリ
そして、いろんな韓ドラで母親役を演じているコ・ドゥシムキム・ヘオク
最近の人気ドラマでの活躍が目覚しいオム・テウン
こちらも多数の人気ドラマに出演のコン・ヒョジン
それに若手のポン・テギュチョン・ユミを加えた7人です。

物語は、列車の中で偶然に隣り合わせた
ギョンソク(ポン・テギュ)とチェヒョン(チョン・ユミ)の
男女二人の恋の予感を感じさせるところから始まります。

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そして、すぐに場面は変わり、その2人がまだ子供時代へと逆戻りするのです。
そこではミラ(ムン・ソリ)が除隊後5年間も音沙汰なしだった
弟ヒョンチョル(オム・テウン)の帰りを待っています。
そして、何事もなかったかのように、不意に舞い戻ったヒョンチョルは結婚したと妻を紹介するのです。
それが20歳も年上の母親のようなムシン(コ・ドゥシム)だったのです。
呆気にとられるミラ・・・

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ましてや、そのムシンの前夫の元妻の娘チェヒョンまでもがやって来る始末・・・
そんな時、無責任男のヒョンチョルがまた一人で姿をくらましてしまうのです。
ヒョンチョルが急にいなくなり、
居ずらくなったムシンがチェヒョンを連れて家を出ようとした時、ミラはムシンに言います。
「帰ってくるまで家で待てば・・・」

かたや、家庭持ちの愛人がいる母(キム・ヘオク)を持つソンギョン(コン・ヒョジン)
彼女はロマンチストの母やその愛人との間の子供
ギョンソク(ポン・テギュ)を疎ましく思っていました。
そして、そんな母から離れたくて、また自分の失恋の痛みからも逃れたくて
外国での仕事を探していたのです。
ところが、そんな時、母が病気だと知らされます。
今まで、自分は母に愛されていないと思っていたソンギョンは、
母の死が近いと知らされても冷たく接してしまいます。
でも、母の死後、残してくれたトランクを開け、母の愛を痛いほどに実感するのです・・・

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そして時は移り、物語の始めに戻り、
成人したギョンソクとチェヒョンの恋物語を絡ませて話は続きます。

と、このように血の繋がりの薄い2つの家族に3つの独立した話を絡ませて、
最後には一つの家族の物語になるという、
なかなか凝った作りで、家族のあり方を描いた作品です。
特に、ラスト近くに家族団らんの象徴ともいえる居間で、
ソンギョンが出演するTVをみんなで見るシーンがあるのですが、
同じ方を見つめるみんなの暖かな眼差しに、何やら心温まる思いになり、
さすが作品賞の所以はこれだったんだと、納得した次第です。

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それから、出演者の中ではオム・テウンも今までにない役柄で目を引いたのですが、
なんと言っても1番の注目はムシンを演じたコ・ドゥシムでしょう。
若い夫とのいちゃつきぶりや老いてからの婆さんぶりと、
さすがベテラン女優の真骨頂を見た思いで、彼女が何の賞も受賞しなかったのが残念でした。

それと、最後に一つだけ・・・
家族愛を描いたらとても上手い韓国映画ですが、時々、
「エェ!なんで?[がく~(落胆した顔)]」と、わたしには不思議に思える、 現実離れした演出がなされる事が多くって・・・
この映画でもあったんですよね~何ヶ所か・・・
ソンギョンがトランクを開けるシーン[むかっ(怒り)]とか、ラストのTVのシーン[むかっ(怒り)]とか・・・
わたしはこんな演出は、映画自体が軽く見えるようで好きではないのですが、
この映画をご覧になった方がいらっしゃいましたら、
どのように思われたか、ちょっとお聞きしてみたいです・・・

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コメント 5

婿ペンギン

韓国ドラマは婆ペンが只今マイブーム中!!
最近、よく「ツタヤに連れて行け!!」との電話が。。。。。(笑)

by 婿ペンギン (2008-03-23 17:10) 

たいちさん

韓流シネマフェスティバルというのがある事を知りませんでした。調べてみると、大阪ではシネマート心斎橋で4月11日まで開催されています。妻が大の韓国ドラマ・ファンですので、都合がつけば行きたいと思っておます。
by たいちさん (2008-03-24 10:57) 

collet

★婿ぺんさんへ

多いですよ~~韓ドラ好きなお婆ちゃま!
先日の↓の映画館なんて、あっちもこっちもで~~
凄い平均年齢だったと思います・・・(~_~;)
どうぞ、ツタヤ連れてってあげてくださいね~


★たいちさんへ

韓流好きの者にとってはお馴染みのシネマフェスティバルで、
春と秋に何作かを一挙に上映しています。
一時に比べると韓国映画の日本公開も少なくなり、観客も減っているようです。
そんな中、韓国映画好きにはこのフェスティバルは貴重なのです。
今回の上映作品の中では、この作品がわたしのイチオシです。
脚本もよく出来てますし、観るならぜひこれを!
小さい声で・・・後のはどうでもいいです~(>_<)
by collet (2008-03-24 11:57) 

BC

colletさん、はじめまして。
私のブログに来て下さりコメントありがとうございました。(*^-^*

現実離れした演出に関しては
アート系映画の新世代の鬼才監督の映画ではこういう演出を少なからず観受けるので、
アート系映画(ミニシアター映画)を中心に観ている私はそれほど気にならなかったかな?

特にラストのTVの場面の突飛な演出は
「ファンタジックで面白いなぁ~。」
と私は思いました。

ファンタジーが好きな人はこういう演出楽しめるけれど、
そうではない人はチョットひいてしまうかもしれないですね。
そういう意味では『家族の誕生』は万人受けするタイプの作品ではないかもしれない・・・。
韓国ではヒットしなかったけれど、
作品性は認められ、数多くの映画賞を受賞したというのは頷けるような気がしましたよ。
by BC (2008-04-02 00:02) 

collet

こちらこそ、BCさんコメントありがとうございます<(_ _)>

仰るとおり、わたしは歴史に忠実な物語が好きなもので、
どうもファンタジー物は苦手です。
なので引いてしまったクチです・・・(~_~;)

ミニシアター系の映画がお好きとか、わたしもどちらかというとそうですが、
なかなか近所で観たい映画の上映がなく残念です。
それでシネマートには大阪に出たついでにお邪魔しています。
今週末からの「恋の罠」も楽しみにしてるのですが、行けるかどうか?

またBCさんのところへもお邪魔させていただきますね。(^_-)-☆
by collet (2008-04-02 17:36) 

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