映画『その木戸を通って』 [日本映画]
昨年2月に亡くなられた巨匠市川崑監督の唯一、劇場公開されていなかった作品です。
その木戸を通って
以前より、観たいと思っていました。
そして、朝10時1回きりの上映にどうにか間に合い、観て来ました。
その木戸を通って
以前より、観たいと思っていました。
そして、朝10時1回きりの上映にどうにか間に合い、観て来ました。
これは、ハイビジョン試験放送のために、日本では初めての長編ハイビジョンドラマとして、
1993年8月に完成し、フジテレビで放送されたそうです。
ただ、残念ながら、そのテレビを観ることがなかったわたしは、
15年後にこうやって、映画館の大きなスクリーンでようやく観ることができました。
とにかく、これまでは人の目に触れることもなく、眠っていたそうで、
きっと、今は亡き市川監督も何処かでお喜びでしょう・・・
1993年8月に完成し、フジテレビで放送されたそうです。
ただ、残念ながら、そのテレビを観ることがなかったわたしは、
15年後にこうやって、映画館の大きなスクリーンでようやく観ることができました。
とにかく、これまでは人の目に触れることもなく、眠っていたそうで、
きっと、今は亡き市川監督も何処かでお喜びでしょう・・・
原作は山本周五郎の短編小説集「おさん」に収められています。
残念ながら、わたしは読んでないのですが、
聞くところによると、とてもとても短い作品だそうです。
そしてそれを市川監督はずっと映像にしたかったそうです。
残念ながら、わたしは読んでないのですが、
聞くところによると、とてもとても短い作品だそうです。
そしてそれを市川監督はずっと映像にしたかったそうです。
そんな物語のあらすじはと言いますと、
ある日突然に、城勤めをする平松正四郎のもとへ記憶を亡くした娘が訪ねて来ます。
初めは誰かの嫌がらせかと疑っていた正四郎ですが、どうもそのようでもなく・・・
1度は追い出すのですが、見るに見かねて娘にふさと名を付け、家で働かせることにするのです。
ただ、そのために家老の娘との縁談も破談となるのですが、
正四郎はお構いなしで、その内、ふさを愛するようになるのです。
そして、みんなに祝福され二人は祝言を挙げ、娘も生れ幸せに暮らしていたのですが、
時々、何かを思い出すようになっていたふさがある時・・・
また突然に、実際にはない木戸を通って何処へといなくなってしまうのです・・・
ある日突然に、城勤めをする平松正四郎のもとへ記憶を亡くした娘が訪ねて来ます。
初めは誰かの嫌がらせかと疑っていた正四郎ですが、どうもそのようでもなく・・・
1度は追い出すのですが、見るに見かねて娘にふさと名を付け、家で働かせることにするのです。
ただ、そのために家老の娘との縁談も破談となるのですが、
正四郎はお構いなしで、その内、ふさを愛するようになるのです。
そして、みんなに祝福され二人は祝言を挙げ、娘も生れ幸せに暮らしていたのですが、
時々、何かを思い出すようになっていたふさがある時・・・
また突然に、実際にはない木戸を通って何処へといなくなってしまうのです・・・
と、まあ何とも摩訶不思議なストーリーで、悪者は一切出て来ず、
時代劇版ラブファンタジーとでもいいましょうか?
元々、ノンフィクションが好きなわたしとしては、モヤモヤの残る思いでしたが、
映像は確かに美しかった~~
タイトルが「その木戸」ですからね、木戸と共に、竹やぶの笹が頻繁に登場し、
鮮やかなグリーンがとても印象的に使われていました。
時代劇版ラブファンタジーとでもいいましょうか?
元々、ノンフィクションが好きなわたしとしては、モヤモヤの残る思いでしたが、
映像は確かに美しかった~~
タイトルが「その木戸」ですからね、木戸と共に、竹やぶの笹が頻繁に登場し、
鮮やかなグリーンがとても印象的に使われていました。
出演はその正四郎に中井貴一、今や演技派といえる彼ですが、15年前も立派なもの~
冒頭と終わりでは17年後の正四郎を演じているのですが、
これが上手い!さすがにアップになると今のようなシワはないのですが、
セリフや動きで見事に老武士を演じており、今更ながら驚きました。
冒頭と終わりでは17年後の正四郎を演じているのですが、
これが上手い!さすがにアップになると今のようなシワはないのですが、
セリフや動きで見事に老武士を演じており、今更ながら驚きました。
そして、主役のふさには当時はトレンディドラマで活躍していた頃でしょうか?
浅野ゆう子が陰のある美しい娘を演じていました。
ただ、観てる時からずっと思っていたのですが、何かが足りないんですよね。
ほんのりとした儚さといいましょうか・・・
いつ消えてしまうか分からないような危うさが、もう少しあればと思ったのです。
浅野ゆう子が陰のある美しい娘を演じていました。
ただ、観てる時からずっと思っていたのですが、何かが足りないんですよね。
ほんのりとした儚さといいましょうか・・・
いつ消えてしまうか分からないような危うさが、もう少しあればと思ったのです。
それと、市川作品には欠かせない俳優達が脇を固めています。
まず、正四郎の父には石坂浩二が・・・
デビュー当時は2枚目俳優だった石坂さんも15年前といえば、
もうこんな老け役をなさってたんですね~と、意外に思ったわたし・・・
そして、この方も3年前に亡くなられましたね、ムーミンの声でお馴染みの岸田今日子さん、
こちらでは、井川比佐志と人の良い夫婦役で正四郎の母代わりのような使用人を演じていました。
あの独特のセリフ回しを久しぶりに聞くことが出来、嬉しかったです。
そして、こちらも今は亡き名優のフランキー堺さんがとてもイイ役をなさってました。
正四郎の父の友人で、離れて暮らす父の代わりに何かと気にかけ、
物語の中でも出番も多く、重要人物として好演しています。
で、正四郎の友人でもあるその息子には、
昨年の「篤姫」では瑛太帯刀の父役でした榎木孝明が、若くて凛々しい若侍での登場でした。
いやはや、月日の流れのナント、早いこと!早いこと!!
まず、正四郎の父には石坂浩二が・・・
デビュー当時は2枚目俳優だった石坂さんも15年前といえば、
もうこんな老け役をなさってたんですね~と、意外に思ったわたし・・・
そして、この方も3年前に亡くなられましたね、ムーミンの声でお馴染みの岸田今日子さん、
こちらでは、井川比佐志と人の良い夫婦役で正四郎の母代わりのような使用人を演じていました。
あの独特のセリフ回しを久しぶりに聞くことが出来、嬉しかったです。
そして、こちらも今は亡き名優のフランキー堺さんがとてもイイ役をなさってました。
正四郎の父の友人で、離れて暮らす父の代わりに何かと気にかけ、
物語の中でも出番も多く、重要人物として好演しています。
で、正四郎の友人でもあるその息子には、
昨年の「篤姫」では瑛太帯刀の父役でした榎木孝明が、若くて凛々しい若侍での登場でした。
いやはや、月日の流れのナント、早いこと!早いこと!!
昨年秋にこの映画の舞台あいさつがあった時、
その場で「ビルマの竪琴」以来、数多くの市川作品に出演してきた中井貴一が語ったそうです。
「市川監督の作品で舞台あいさつをするのはこれが最後だと思うと、
悔しい思い、哀しい思いがあります」と・・・
その場で「ビルマの竪琴」以来、数多くの市川作品に出演してきた中井貴一が語ったそうです。
「市川監督の作品で舞台あいさつをするのはこれが最後だと思うと、
悔しい思い、哀しい思いがあります」と・・・
70本以上の作品を残した市川崑監督、その最後の未公開作品その木戸を通って
何やら、観終えて感慨深げになったわたしです・・・
何やら、観終えて感慨深げになったわたしです・・・
へ~、こんな作品が公開されているんですね~。
そして、内容もなにか不思議そうな、
観る者にゆだねられているような感じなのでしょうか。
15年前の中井貴一さんは、そんなによかったですか。
私は、若い時はイマイチ・・・という印象でしたが、
でも、色々観ているわけじゃないので、
中井さんの15年前の老武士ぶりは興味があります。
脇役も魅力的だし、これはちょっと観てみたいですね~!
by 虹子 (2009-01-15 17:11)
さすが映画好きなcolletさん!
レアな映画の話題に、お久しぶりにカキコします~~*^^*
ストーリーはいいですね~、不思議な世界観を市川監督がどのように描かれたのか興味あります。
けど・・コレットさんだから正直に言っても叱られないかと~
言っちゃいますね~
脚本も監督もいいのに、主役が“刺身のつま”だったのでは?
ニンジンじゃなくて白いほう・・(爆)
中井貴一さんは、まあまあとしても(生意気ですみません)
浅野ゆう子さんはトレンディドラマかサスペンス以外では(--;
全く話が飛んじゃいますが、以前、「蔵」でのお母さん役にひどくがっかりしたので・・
浅野さんも中井さんも好きですけど・・
by やさい (2009-01-15 17:49)
★kinkonさんへ
今年もまた映画三昧のcolletです~お付き合いありがとうございます^^;
★虹子さんへ
そうなんです・・・山本周五郎は如何なる思いで書かれたのでしょう?
ふと、そんな事が気になった物語です・・・(・へ・)
それで、観る者に委ねるというのではありません。
というのは、17年後にふさそっくりの女が現れるので・・・
でも、正直言って、ようわかりませんでしたわ~(~_~;)
それと、中井貴一の「武田信玄」大好きだったのよ~~
ちょうど、この映画の5年前くらいだと思うんだけど~
彼には時代劇が合ってると思います~~(*^^)v
★お久のやさいちゃんへ
まあまあ、あちこちとお忙しい中、お立ち寄りありがとね~~ヽ(^。^)ノ
それにしても、いいのよ~いいの!
言いたいことあれば、どうぞ気軽におっしゃって~~^^;
で、その主役が“刺身のつま”説ね・・・
今日もこれを書きながらふと思ったのですが、これはフジTV制作なので、
先ず、彼女ありきの制作だったのかな~??と思いました。
まあ勿論、真実は存じませんが・・・(ーー;)
でも映像は、わたしの好きなアングルがあり、ワクワクいたしました。
朝からバタバタ出掛けましたが、やっぱり、観て良かったです~~(*^^)v
by collet (2009-01-15 18:28)
山本周五郎は一時かなり読みました。きっかけは、市川崑ではなく、黒澤明の「赤ひげ」を見たことです。でも、「樅の木は残った」を読んで???となって以来、ちょっとご無沙汰しています。その木戸を通ってを呼んだ記憶は、Colletさんの解説を読む限りありません。でも、山本周五郎にはとてもお世話になっています(就職を世話してもらったわけでも、お年玉をもらったわけでもありませんが)。それは、最近、私が本を選ぶ基準を、何かの賞を取った本、その中でも、「山本周五郎賞」をとった本、またはその作家と設定すると、割と「あたり」に恵まれるからです。毎度のことながら、本題の映画に食いつかなくてすみません。
すごい脇の俳優陣ですね。上杉謙信もやった石坂浩二さん。私は、安部さんの謙信も今のところ好きです(あ、これは食いつく記事が違いますね)。フランキ-堺さん、いいですねえ。
主役の中井貴一さんは、俳優としての実績をほとんど知りません。DCカ-ドで狸といっしょに宣伝している人、というのが私の認識です。
浅野ゆう子...個人的にこの人のどこがいいのかは、まったくの謎です。
by 雀翁 (2009-01-15 19:35)
大変遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
映画やドラマの楽しい日記、楽しみにしております。
by みなりん (2009-01-15 21:07)
93年の作品ですか。よく上映されましたね。しかも凄いキャスティング。
浅野ゆう子は安心して観てはいられますが、儚さとは対極にある、生命力のある女優さんのような気がします・・・。15年前は娘役だったのですね、びっくり。榎木孝明が「若」侍ですか。なんだか不思議な感じがしますね。
全然関係ないのですが、この頃高校生だった私は、俳優さんとしては、役所広司や佐藤浩市が好きでした。「三匹が斬る」の頃の役所広司はかっこいいなー、と思いながら観てました。今も深みが増して素敵な感じがします。俳優さんや女優さんって、やっぱり年を取ると味が出てきて良いですね。
by Bonheur (2009-01-15 22:12)
colletさんと比べると、ほとんど映画館に行かない自分です(;一_一)。
邪魔くさがりなのと、映画館で観る映画の良さがわかっていないからでしょうかねえ・・・(^-^)。
邪魔にならない程度に退散いたします。。。
by dolfin (2009-01-15 22:40)
まるで、民話のようなふしぎなお話ですね。
市川昆監督の作品は映像が美しいので、こういう
こういうファンタージーっぽいお話にあうのでしょうか。
私は「細雪」を見に行った記憶がありますよ。
浅野ゆう子さんも中井貴一さんもおわかいー。
浅野さんは女優としてW浅野といわれ、浅野温子さんと
大活躍していた時代ですねー。
中井貴一さんは昔から演技のうまい俳優さんだなあと
思っていました。中井貴一さんが出ている時代劇で
この作品のようなファンタジー系で
「壬生義士伝」(だったか?)浅野次郎原作の
映画がありましたっけ。あれが大好きで、涙した
記憶があります。この「その木戸を通って」も
チャンスがあれば見てみたいですねー!
by hirohiro (2009-01-16 09:27)
★雀翁さんへ
いえいえ、食いつく先が何であろうと、お構い無しの当ブログです~^^;
で、雀翁さんが山本周五郎をお好きなのは分かってましたよ!
でも、「赤ひげ」の映画からとは意外でした~~
あの映画はわたしも映画館で観ました。
三船敏郎に加山雄三、そして内藤洋子が可愛かった~~(*^^)v
それから中井貴一ですが、わたしは俳優として、
お父様の佐田啓二さんをとっくに超えたと思ってます。
最近は年齢と共に渋味も出てきて、これから益々素敵な俳優になるのでは?
でね、浅野ゆう子はね~我々とは同郷ですが、何ともね・・・(~_~;)
★みなりんさんへ
みなりんさん、こちらこそご挨拶に伺わなくてごめんなさい!
ハイ、よろしくお願いしますね~~^^;
あっ、何やらお楽しみだったようで、またお邪魔しますね~~ヽ(^。^)ノ
by collet (2009-01-16 12:54)
★わかさん、ポチッとお付き合いありがとうございます~~^^;
★Bonheurさんへ
そうなんですよね、浅野ゆう子は体格もいいし、
どう見てもこの役にはムリがあるようですね・・・
ちなみに、わたしのイメージでは壇れいちゃんがピッタリなんだけど~(~_~;)
>15年前は娘役だったのですね、びっくり。
それにしても、↑に年の差を感じるわ~~(~o~)
わたしは彼女が15歳で歌手デビューした時から見知ってるもので~~
それに、榎木孝明の朝ドラデビューも知ってるし・・・
あっ、佐藤浩一のドラマデビューも知ってます!
石黒賢なんかと青春ドラマに出てたのよ~で、今はいい役者になりましたね。
ちょうど、緒方拳さんのような俳優になるのでは?と思ってます。
それと役所さんも最近は監督もなさって、大活躍ですね!
皆さんのこれからが楽しみで~す(^^♪
by collet (2009-01-16 13:51)
★dolfinさんへ
両親が映画好きというのも大きいですが、
映画はわたしにとって、子供の頃からのおもちゃのような物ですね。
とにかく、アニメなど見向きもせず映画を観てたほどで~(~_~;)
映画館が多い、神戸という土地柄にも恵まれましたしね。
それから、何でもありのブログですので、
食いつき所がありましたら何なとお喋りして下さいね~~^^;
★hirohiroさんへ
そうね、民話みたいですね~~鶴の恩返しとか?^^;
「細雪」も綺麗でしたね!
あの満開の桜が本当に美しかった~~ \(~o~)/
この映画でも笹のグリーンがクッキリと浮かび上がるようなオープニングで、
とても印象に残りました。
そうそう、「壬生義士伝」ありましたね!
でも、わたし観てませんが・・・(>_<)
中井貴一はカツラの似合う顔立ちですし、やはり時代劇は似合いますね。
そしてW浅野・・・懐かしい~~
最近は温子さんの方も母親役をなさってるし、
嫌でも時の流れを感じますね・・・(~_~;)
by collet (2009-01-16 14:36)
こんな立派な作品は、もっと広く公開すればと思いますね。
by たいちさん (2009-01-16 22:22)
★たいちさんへ
そうですね!わたしも朝1回きりの上映と知り、驚きました!
でも、今朝の新聞では午後から1回増えてましたので、
意外と反響があったのかもですね・・・^^;
by collet (2009-01-17 14:13)
消えた女性はお化けだったんでしょうか???
中井貴一は、二世俳優ですね。(名前わすれました)
確かに、演技はうまいとは思いますが、あの顔面神経痛のよう顔がちょっと・・・と思います。
浅野ゆう子は、すっかり大奥の瀧山のイメージが強くなってしまいました。
by 降龍十八掌 (2009-01-17 19:43)
降龍さんもお付き合いありがとうございます~~^^;
で、ちゃう!ちゃう!!お化けじゃないです。
それから、中井貴一の父は佐田啓二という正統派の二枚目です。
でも彼は父親似ではありません・・・(>_<)
浅野ゆう子の大奥は観ていないのですが、
瀧山だったんですか・・・ふぅ~ん(ーー;)
by collet (2009-01-18 14:40)
知らなくて見たい映画がありますね。^^;
by よしあき・ギャラリー (2010-10-04 18:35)
★よしあきさんへ
この映画は本当に宣伝不足でしたね。
古い映画だし、費用不足だったのかもです~(-"-)
by collet (2010-10-06 15:58)