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劇団☆新感線「蛮幽鬼」をみて・・・ [舞台]

昨日、最後の治療を終え気分も晴々[わーい(嬉しい顔)]梅田芸術劇場で観てきました~~[るんるん]

劇団☆新感線2009秋興行
蛮幽鬼

1.JPG

これがこの春の「蜉蝣峠」に続き、2度目となる「いのうえ歌舞伎」の観賞です。
作は前回の宮藤官九郎に代り、お馴染み劇団☆新感線の中島かずき
そして演出も同じくいのうえひでのりです。

で、、、観賞後の第一声は~~
オモシロカッタ~~\(~o~)/
いやぁ~申し訳ないけど、春の「蜉蝣峠」より断然面白かった!!
そんなわけで、途中25分の休憩を挟んでの3時間半の短かったこと!
あっという間のように感じたわたしです~[揺れるハート]

そんな大いに楽しんだお芝居の物語はといいますと、
時はいつ頃でしょう?遥か昔とありましたが・・・
群雄割拠の豪族支配からようやく国家としての国づくりがなされ始めた島国の鳳来国、
その鳳来国の前途有望な若者四人は海を隔てたお隣の国、
果拿(かだ)の国の国教である蛮教(ばんきょう)を学ぶため留学しておりました。
そんな彼らが3日後には帰国というその夜、
その4人の中の一人京兼調部(きょうがねしらべ)が何者かに殺されてしまいます。
そしてあろう事か、その場に居合わせた妹の婚約者である伊達土門(だてのどもん)が囚われ、
無実の罪により監獄島に幽閉されてしまうのでした。
それから10年、土門は自分に濡れ衣を着せた後の2人、
稀浮名(きのうきな)と音津空麿(おとつのからまろ)への復讐を誓いつづけ、
何処にいるのか?声だけが聞こえる男の言葉を信じ、脱出しようと牢獄の壁を掘り進めたのです。
すると、その声の主である両手足を鎖に繋がれたサジと名乗る男がいる牢へとたどり着き、
土門はサジを助け、サジは土門の復讐に協力すると誓い、ともに脱獄するのでした。

そして月日が経ち、舞台は鳳来国の都へと移り・・・
蛮教を最初に持ち帰った浮名と空麿は、その教義を誰も知らないのをイイ事に、
自分たちの手で作り変え、浮名の父の右大臣共々権勢をふるっていたのです。
そんな時、都のはずれでは飛頭蛮(ひとうばん)と名乗る男が広める、
蛮心教(ばんしんきょう)なるものに民衆の支持が集まりはじめ、
日頃より、蛮教に疑問を抱いていた大王の妃、美古都(みこと)は
護衛の刀衣(とうい)を伴い飛頭蛮のもとを訪れるのでした。
そこで思いがけず、今でも愛する婚約者だった土門に再会するのですが、
10年間の幽閉で髪が真っ白になってしまった土門が飛頭蛮とは気付かず、
蛮教と蛮心教の教えをめぐっての教義問答をすることになるのですが・・・

2.JPG
ロビーに飾られた蛮教のご本尊!?

このように、この物語はデュマの「モンテ・クリスト伯」の復讐劇をモチーフにしたそうで、
陰謀渦巻く架空の古代国家を舞台として、
いつの世でも浅はかに繰り返し過ちを犯す人間の業を描いています。
ただ、そんな人間ドラマを描きながら、新感線は面白くないといけません!
というわけで、作家の中島かずきさんもこうインタビューでお答えです。

頭でっかちに作家がテーマだけを振りかざしては駄目なんです。
舞台の上の人間達の感情のぶつかりあいが面白くなければならない。

で、その舞台の上の人たちですが・・・
先ず主役の若くて凛々しい土門と白毛女ならぬ白毛男の飛頭蛮を演じたのは上川隆也
元々彼は、舞台の人ですがわたしは今回が初めてでした。
それで失礼ながら、ドラマなどではそれほどでもなかったのですが、
さすがセリフの聞こえはいいし、存在感もおありだしで~[ぴかぴか(新しい)]
見るからにオッカナイ復讐鬼と化しておいででした。

3.JPG

また、得体の知れない殺人鬼のサジと名乗る男には堺雅人が、
こちらもやはり初めてでしたが、ドラマや映画と同じようににこやかなお顔で、
細身で身も軽く?殺陣まわりをこなしておいででした。
劇中でも盛んにアドリブでにこやかな笑顔を突っ込まれていましたが、
殺人鬼役には、あの笑顔がニヒルに見え不気味さを増すというものでしょうか?

そしてゲストでは紅一点の美古都には稲森いずみ
この方も初めての方ですが、ナント!お顔が小さくてスタイルの良いことか~[ぴかぴか(新しい)]
サスガ!背丈もあり舞台映えしますね。
前半では初心な美古都を可愛くか弱く演じ、後半は反対に国を司る女王を力強く演じてました。

4.JPG

そんな美古都に助けられ、彼女の護衛を勤める刀衣にはこれが2度目の早乙女太一
大衆演劇の人気者の彼を観たのは昨春の「トゥーランドット」以来ですが、
あの時も同じように、心から女帝に尽くす役どころでしたね。
ただあの時、サスガに集団の中にいても目立つほどに華があるけど、
セリフの言い回しにハリがないと残念に思っていたのですが、
1年以上が経った今回の彼は一味違ってましたね~[目]
大劇場にもリンと響くハッキリとした言い回しで大衆演劇だけに限らず、
彼のこれからの役者としてのステップアップを感じました。
あっ、それに、最初の登場が女形での踊りでしたが、ウツクシイ~~[ぴかぴか(新しい)]の一言です!
どうやら、美しさにも磨きがかかったようですね。
それと、新感線のいつもの舞台と比べるとヤケにご年配の方が目立ったのだけど、
あれは太一効果ではないかしらん!?

それから、その他でひっくるめるのは申し訳ないのですが、[ふらふら]
劇団員以外でのゲストとして、
調部・美古都兄妹の父でコワ~イ裏の顔をお持ちの左大臣を千葉哲也が、
女好きで美古都にも横恋慕していた稀浮名役を山内圭哉と芸達者な俳優が軽妙に演じ、
お馴染み劇団員の高田聖子は南の島の王女ペナンをヘンテコな言葉で笑わせてくれ、
粟根まことも音津空麿という、力を持たない親を持ったために強者に従う弱者を演じ、
笑いの中にも悲哀さを感じさせてくれました・・・

そして忘れちゃいけない!わたしのご贔屓俳優の橋本じゅんです。
今年の彼の舞台は新感線での2作品だけでしたが、
前回の「蜉蝣峠」での立派役より今回の方がいつもの彼らしく、浮名の父右大臣を憎々しく、
またいつものようにサービス満点のアドリブ満載で観客を楽しませてくれました~~[るんるん]

ところで、今回これ以外に印象に残ったのが衣装と照明でした。
衣装は舞台衣装ならこの人といえる小峰リリーさんでしたが、
時代背景が古代ということで、薄絹を思わせる透けた羽織り物が目立ちました。
その色合いが素敵で、思わずオペラグラスを手に見入ったわたしです。
そして、オープニングとラストの照明の美しかったこと!
わたしが今までに観た舞台の中では1番美しく印象に残りました~[ぴかぴか(新しい)]
あっ、これからご覧の方はお楽しみに!

さて、お次の劇団☆新感線は30周年興行だとかで来年の春、
天海祐希を迎えての「薔薇とサムライ」だそうです。
あ~~楽しみだ~~[揺れるハート]必ずやチケットを手にせねば!!

5.JPG
梅芸の近くに飾られたクリスマスツリー
もうこんな時期ですね~~[クリスマス]

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あしあと 9

コメント 13

わか

行かれたんですね~ ♪
復習への怨念が劇場全体を覆っていて、すごい舞台でした。
えぇー次は、天海さん。
おぉーそれは、絶対に行かないと!
by わか (2009-11-18 19:10) 

Bonheur

劇団新感線というと、古田新太や羽野晶紀しか浮かばなかったのですが、他の集団(芸能プロ含む)からゲストを呼んで舞台をやったりするんですね。
稲森いずみ、大好きです~。最近TVで観ないなと思ったら、舞台に出ていたのですね。上川隆也や堺雅人も出演、豪華ですね~。

いいな、天海祐希の舞台もこれからあるのですね。観に行きたい~
by Bonheur (2009-11-18 22:52) 

collet

★わかさんへ
ハイ、観てきましたよ~~^^;
上川さんの復讐鬼、迫力がありましたね!
今度はヘンリー六世をするそうだけど、観たくなってきました。
それから、来年の天海祐希を迎えて古田新太との共演が楽しみです!
きっと、面白い舞台になりますよ~~!(^^)!


★Bonheurさんへ
元は小劇場の劇団でしたが、
今やチケットが取り難いので有名になるほどの人気劇団です。
それで、いろんなゲストを招いての公演が面白くて~~
皆さん、最初は新感線流の演出に驚かれるようですが、
舞台に立てばスッカリ馴染んだ姿が見れ面白いですよ~~(^^♪
でね、その意味では天海祐希なんて、1番馴染みやすそうで~~
今から楽しみになってきました~(^_-)-☆

by collet (2009-11-19 12:02) 

dolfin

あー、新感線ですね。以前も読ませていただきました。
でも、特殊メイクというか、なんか、すごい!というか、怖い感じです。
前の時、内野さん(ウッチー)じゃなかったでしたかねえ?違うかなー。
今回のゲストは稲森いずみさんだとか。確かに、この人顔が小さいですね(^-^)。

それにしても25分の休憩をはさんで3時間半ですかア。
ながーい。のぞみで東京に着いてしまう。
精神状態や体調によって、時間が長く感じたり、短く感じたりするんですね。。。おそまつ君でした(^-^)。





by dolfin (2009-11-19 21:28) 

collet

★dolfinさんへ
そ~~です~その新感線です。
今回も面白かったですよ~\(~o~)/

それからメイクはね、ポスター用に濃くおっかないですが、
舞台ではそれほどでもなかったですよ。
客席を走り去る時にチェックしましたから~で、前回は堤真一ですね。

>のぞみで東京に着いてしまう。
本当にね!そう言われれば長い!!
でも、ちっとも時間は気になりませんでした。
それだけ楽しませてもらったという証拠ですね~^^;
by collet (2009-11-20 13:33) 

シェルティ

見たーい!
やはり、生は良いですね。
新感線は名古屋飛ばしです。
残念、、、
堺雅人さんの舞台一度見たいです。
このポスターの上川隆也(3枚目の写真)
お師匠さんの仲代達也さんに似てませんか?

この秋、冬は、伊坂幸太郎制覇を目指しているので
映画にも、お芝居にも関心がイマイチです。
by シェルティ (2009-11-20 19:59) 

たいちさん

残念ながら、まだ劇団新感線の舞台を観る機会はありませんでした。ゲスト俳優も招聘しているのですね。一度観たいと願っています。
by たいちさん (2009-11-20 22:39) 

collet

★シェルティさんへ
は~い、生はいいですよ~~(*^^)v
で、そうなんです・・・
残念ながら、新感線は名古屋飛ばしなんですぅ(;_;)
名古屋にもファンはいると思うのだけど!?

>お師匠さんの仲代達也さんに似てませんか?
そうね!似てますね!!メイクのお陰で目が鋭くてね!

どうぞ、どうぞ伊坂幸太郎制覇頑張ってね~~ヽ(^。^)ノ
あっ、今日はピースもお忘れなく!


★たいちさんへ
この劇団は男性ファンも多いですよ。
それと今回は驚くほどに男女を問わずご年配の方が多かった!
やはり、確実に人気は定着しているようです。
ぜひ、機会があればご覧くださいね~^^;

by collet (2009-11-21 13:57) 

maki

新感線はいつも豪華ですね@@
テレビでも活躍している俳優が出演するとそれも宣伝効果になるし、
観客側としても生の彼らを観られる楽しみが膨らみそう^^

タイトルとレビューだけ見ているとちょっと取っ付き難そうだから、
こうした劇にはおんにのようなファンの解釈がすごく求められると思います~^^
by maki (2009-11-21 15:46) 

降龍十八掌

生のお芝居ですねぇ~。妖怪ものかと思うほどのメイクが怖い~。でも、中身は岩窟王から筋は分かりやすそうですね。
なお、私も劇団JRAさんの生のお芝居でいつも楽しませてもらっています。
by 降龍十八掌 (2009-11-21 17:54) 

collet

★makiちゃんへ
新感線も元々は小劇場限定の劇団だったけど、30年が経ち、
今や大劇場でのチケットを手に入れるのも難しいほどの人気ぶりです。
それに、役者の中でも出演したがる人も多いんじゃないかしら?
だって、ゲストもみんな楽しそうなんだもん~^^;

それから、新感線の舞台の中でもこの「いのうえ歌舞伎」は、
わたしが思うに小難しさも含まれてるようです~(~o~)
でも決して取っ付き難くなく、面白いのです~~♪


★降龍さんへ
メイクはね、舞台ではこれほどでもないんですよ。
だって、これほどのメイクはさぞ時間もかかるでしょうしね~(>_<)
で、ストーリーはおっしゃるように分かり易いですよ。
ただ、そこにヒネリがありますが・・・(*^^)v
ところで降龍さん、昨夜ハイビジョンで劇団JRAさんならぬ、
その発祥の地での三浦皇成選手の番組を観ましたよ。
あんな緑の綺麗な劇場なら行ってみたいものですわ~~!(^^)!
by collet (2009-11-21 18:12) 

雀翁

むむむ、いつものように、私にとって突っ込む隙のない、舞台話ですな、なるほど。

ええ~っと、参りました。まだ頭が、プ-ケットでとろけてしまって以来、しっかり目覚めていません。

by 雀翁 (2009-12-01 18:48) 

collet

おお、まだお目覚めではないようですね!
まあ、せっかくのトロケ気分、もう少しそのままでもいいかもね~^^;
by collet (2009-12-02 13:38) 

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