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映画「ちょんまげぷりん」 [日本映画]

先々週「クロッシング」を観た時に、予告編が流れ、
ちょっと面白そう~~[るんるん]との思いを抱き、
ランチに出掛けたついでに軽い気持ちで観て参りました。

ちょんまげぷりん

1.jpg

原作は荒木 源作「ちょんまげぷりん」ですが、
「ふしぎの国の安兵衛」を文庫化するにあたり、こちらに改題されたそうですね。

2.jpg
小学館より600円也

監督は、今や人気監督のお一人ですね。
「アヒルと鴨のコインロッカー」で注目を集め、
「チーム・バチスタの栄光」「ジャージの二人」「ジェネラル・ルージュの凱旋」
そしてわが友シェルティさんも絶賛した前作「ゴールデンスランパー」と、
メジャーからマイナー?まで、昨今の話題の日本映画を手掛けている中村義洋監督です。
何でもこの映画の企画が立ち上がったのは4年前の秋だそうですが、
その時点でもう、中村監督に決まっていたそうですよ。

物語は、仕事と家事に追われ毎日忙しくしているシングルマザーのひろ子と
その一人息子でやんちゃな友也の前に突如、
羽織袴にちょんまげ姿で腰に刀をさした侍が現れるところから始まります。
最初は時代劇ロケの俳優かと思っていたひろ子ですが、どうもそうではなく、何故か?
180年前の江戸時代からタイムスリップしてきた直参の木島安兵衛だと判明するのです。
そして、行くあてのない安兵衛は、ひょんなことから仕事が忙しいひろ子に代わり、
奥向きのことは全部自分がするからと、同居を願い出るのでした。
そんな訳で、炊事、洗濯、掃除と家事一般をパーフェクトにこなし、
誠実な人柄から友也には感謝、礼儀、真の男らしさを教えるのでした。
そうやって、3人の共同生活が上手くいっていた矢先、
プリン作りを切欠にお菓子づくりに才能を見出した安兵衛は、
ある手作りケーキコンテストで優勝してしまい、その腕を見込まれ仕事もみつかるのでした。
でも、その仕事に熱中するあまり、3人の生活のリズムは狂い出し・・・

映画を観ながらわたしが思い出したのは、昨年末の人気TV番組「JIN-仁」です。
あちらは現代から江戸時代にタイムスリップしたお話でしたが、こちらはあの真逆ですね。
最先端医療を伝授した仁に代わり、こちらの安兵衛は、
現代人が忘れようとしている、昔ながらの人としての正しい在り方を教えてくれています。
劇中、いくつかの安兵衛語録なるものが発せられるのですが、
中でも1番印象に残ったのがハンバーガー店で友也を叱るシーンです。

オマケ目当てに買って貰い、ハンバーガーには手を付けずオマケの玩具に夢中になり、
母の注意も聞かずに靴を履いたまま椅子に上がり騒ぎつづけ、
その果てには玩具で隣のオバサンに迷惑をかける有様で・・・
そんな時「いい加減にせいーッ!」と店中に轟く声で一括し、
親にせっかく買って貰った物だからちゃんと座って食べなさいと親への感謝と物の大切さを教え、
迷惑をかけたオバサンにはちゃんと謝りなさいと礼儀を教え、
はたまた謝られても知らぬ顔をしようとするオバサンにも注意してと、
我々の日常でも似たような光景をよく見かけるけど、
自分も含めてなかなか口にする人も減って来た現状に、ハッとさせられた次第です。

そんな昔ながらのイイ男、安兵衛を演じるのは眠たげな目が印象的な錦戸亮
ドラマではお馴染ですが、これが映画初出演でましてや侍姿も初めてとか!
それでクランクイン2ヶ月前より所作の練習もしたそうですが、その甲斐もあり、
ステージで歌い踊る彼とはまた違う一面を見ることができました。
また年上のシングルマザーひろ子を演じるのは、「篤姫」でのデキタ妻ぶりが好評で、
実際にもシングルマザーとなったともさかりえが・・・
子供の年齢も同じだそうで自分ともダブり感情移入もしやすかったようですね。
そしてその息子の友也を演じたのは、鈴木 福くん。
6歳にしてすでに出演作も多く「ゲゲゲの女房」にも出演したそうですよ。
それに中村作品には「ゴールデンスランパー」に続いての出演で、
安兵衛が初めて作ったプリンを大人たちが見守る中、
本当に美味しそうに「うまいッ!」と食べるシーンなど、
絶妙な間といい、なかなかの役者っぷりに驚きました~[ぴかぴか(新しい)]

この映画、何事も「ござる」調の安兵衛さんの物言いについついほほ笑みながら、
その言葉の端々に、忘れかけた人としての当たり前を思い出させてくれる人間ドラマでした。
最初はあり得ないストーリーに軽い気持ちで観出した映画でしたが、
なかなかイイ映画を観たと、気分良く映画館を後にすることができました。
さて、夏休み期間、親子での鑑賞にいかがでしょう・・・

あしあと(13)  コメント(17)  トラックバック(0) 
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あしあと 13

コメント 17

雀翁

>ランチに出掛けたついでに軽い気持ちで

と読んで、近くのコンビニで新発売のプリンを買った話しかと思いました(マジ)。今度日本に帰ったら、買ってみようかと...

直参旗本の武士が、掃除。洗濯、炊事をパ-フェクトにこなすというのには、若干の違和感を感じますが、叱らなくなった、叱れなくなった大人が多い中、このような人がいるとほんとうにいいと思います。

「私たちはタイムマシンを持っていないのだから、過ぎたことをごちゃごちゃ言うな(修正できないんだから)。それより、これからどうするか考えよう」というのが、一時、私の口癖でした。そういえば、最近、言っていません。実際にタイムマシンを持ってたら、使い道に困るような気もしますが(ル-ルによって、どっちみち過去は変えてはいけないんですよね)。

by 雀翁 (2010-08-11 19:31) 

collet

★雀翁さんへ
あはははは・・美味しいプリンの話でなくてどうもすみません!
映画の中では一杯美味しそうなのが登場したんだけど~~(~o~)

それから、前回観たのが辛くて悲し過ぎましたので、
余計にこんなお気楽映画がいいかな~♪と思い出掛けました。
で~意外にも安兵衛さんがイイこと言うしで、
夏休みに親子で観賞するには持って来いだと思いましたよ。

>どっちみち過去は変えてはいけないんですよね
そうそう!これはこのテのストーリー物ではいつも言ってますね。
まあ、実際にはないので試し様もないですが・・・

★今造ROWINGTEAMさん、いつもありがとう~~(^^ゞ
by collet (2010-08-12 13:26) 

よしあき・ギャラリー

映画を観ていなくても十分内容の分かる素晴らしい評ですね。
文章が上手です。
by よしあき・ギャラリー (2010-08-12 14:29) 

gwan3

面白そうな設定ですね。
プリンのポスターもおもしろい^^
by gwan3 (2010-08-12 15:46) 

collet

★よしあきさんへ
老後(ちなみにまだず~っと先のつもり)のための、
自分が観た映画の覚え書きのようなものなんです~(^^ゞ


★gwan3さんへ
このポスターのちょんまげソース、面白いでしょう!
実際に作ったのかどうかは分かりませんが、グッドアイデアですよね~(*^^)v
by collet (2010-08-12 16:39) 

たいちさん

タイトルを見ただけでは、オチャラケた感じがしましたが、真面目な道徳的な映画なんですね。
by たいちさん (2010-08-12 17:39) 

降龍十八掌

てっきりグリコの新製品かと思いました。
記事を読んでも、どうもおかしいと思い、気づきましたわ。
許してちょんまげぇ~!!(チャマ語)
by 降龍十八掌 (2010-08-12 18:16) 

よーじっく

こんばんはぁ、(^_^)/
こころがホンワカする、いい映画でしたね。
間口を広げずに、こじんまり創られているのが
かえって良かったと感じました。(^_^)
by よーじっく (2010-08-12 19:47) 

Rei

はじめまして☆
先ほどは、ご訪問下さってありがとうございました^^
ポスター、おもしろいですね^m^クスッ
ソースがちょんまげになっているのですね。
これからも、よろしくお願いいたします^^R
by Rei (2010-08-12 20:05) 

dolfin

ちょんまげプリン?
そんなスイーツがありましたかねー(^-^)。
江戸時代からやってきた侍、自分もJINを連想しました。
ストーリーはcolletさんの解説でわかるような気がしますけど、近いうちにケーブルテレビの日本映画チャンネルで放送してくれたらいいなあと思ってます(^^ゞ。


by dolfin (2010-08-12 21:18) 

まぐろ

雀翁さんのコメントにもあったように、私も「ちょんまげプリン」というプリンがあるのかと一瞬思ってしまいました。
雀翁さんのコメントも笑ってしまいました。
内容も面白そうですね。お侍がパティシエになんてどこからそんな発想がでるのかがさらに面白いです。
by まぐろ (2010-08-13 03:29) 

collet

★たいちさんへ
ひと言でいうと、これはハートフルコメディですね。
古き良き昔を思い出しながらそれに笑いがあり、
また沁みるというような~(*^^)v


★降龍さんへ
ちゃいますよ~~グリコの新製品ではありません~(^^ゞ
ああでも、この主人公が食べた初めてのプリンはグリコのかも!?
それにしても、懐かしい言葉を聞かせていただきました!
ああいうのをチャマ語というんですね~(';')
by collet (2010-08-13 11:03) 

collet

★よーじっくさんへ
当方へもありがとうございます~
何も期待せずに観たのも良かったのか?
また、素敵なラストで観終えた後の気分も良く、
急にプリンが食べたくなりました~(*^^)v


★Reiさんへ
こちらこそ、ご訪問ありがとうございます~

そうなんですよ~カラメルソースにちょんまげが!
で、アレ、本当に作られたようです。
いいアイデアだけど、作る方は大変でしょうね!?
それからこちらこそ、どうぞよろしくです~~(^^ゞ
by collet (2010-08-13 11:21) 

collet

★dolfinさんへ
この映画、スイーツ好きのdolfinさんがご覧になっても面白いかもですよ。
お菓子を作るシーンも多いですし、
そのレシピを「ござる」調ですが 解説してますし~~(~o~)
で、主演の錦戸くんは普段から好きで作ることもあるそうで、
泡立て器の使い方なんて手慣れて見えましたよ。
どうぞ、いつの日かケーブルTVでご覧になれるのを楽しみに~(^^♪


★まぐろさんへ
わたしも不思議に思ったのですが・・・
このストーリーの発想は、
作家の荒木さんが会社を辞めて主夫をなさってて、
そんな自分を奥様と当時流行してたギター侍を真似て
「主夫侍だね」と話したのが切欠だそうですよ。
ちなみにご本人はお菓子より酒の肴の方がお得意だそうですが~(~o~)
by collet (2010-08-13 11:45) 

collet

★長瀞清流さんはじめまして~ありがとうございます^^;
by collet (2010-08-13 11:47) 

collet

★kakasisannpoさん、こちらにもありがとうございます~^^;

★Taddyさんもありがとうございます~~!(^^)!
by collet (2010-08-18 11:09) 

collet

★佐々木さんポチッとありがとうございます~^^;
by collet (2010-08-20 11:45) 

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