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映画「レオニー」 [日本映画]

「イサム・ノグチ」という名を聞き、
日本人の血を引く世界的なアーティストだということは知っていました。
でも、どんな生まれか?はたまたどんな作品があるのかは全く知らず・・・
彼を産んだ母であるレオニー・ギルモアの生涯を描いたこの映画を観てきました。

レオニー
1.jpg 2.jpg

監督は前作の2002年制作で、老人介護を描いた「折り梅」が
未だに自主上映されているという、松井久子監督です。
この「折り梅」はわたしも気になりながらも、残念ながら未見で、今回が初めての作品でした。
そんな監督が、高松市にあるイサム・ノグチ庭園美術館を訪れた時に閃めき・・・
「この強き母がいたからこそイサム・ノグチがいるのだ」と、
同じ女性として、世に送り出さねばと思ったそうです。

物語の始まりは、20世紀初頭のニューヨークが舞台です。
名門女子大を卒業し、在籍中にはパリのソルボンヌ大学への留学経験もあるという才媛、
メラニー・ギルモアは教師をしながらも文学の道に進む夢を持っていました。
そんなある時、ニューヨークで詩人として活躍し始めた
日本人青年の野口米次郎と運命的な出会いをするのです。
最初は彼の編集者として雇われるのですが、そのうち愛し合うようになりメラニーは身籠ります。
ただ日露戦争が始まり、人種差別で悩む彼は一方的に日本に帰ってしまうのでした。
そして残されたメラニーはカリフォルニアの母のもとで長男イサムを産み、
シングルマザーとなりながらも手紙で米次郎との仕事を続けていたのですが、
その彼からの「子供には父親が必要だろう」との日本への誘いに来日を決心し、
反対する母を置いて、3歳になったイサムと共に横浜港に到着したのでした。
でもそれは、彼女にとっての波乱の人生の幕開けで、言葉も何も分からない中、
帰国後に妻を娶った米次郎を許すことができずイサムを連れ家を出て、
英語教師の職を得て自立し、イサムとは父親の違う妹アイリスも産み、
その2人の子供を育てながらたくましく生きていくのでした・・・

4.jpg

出演は主役のメラニーにエミリー・モーティマー
彼女については何も知らないわたしですが、
ハリウッドでも活躍する英国人の演技派女優のようですね。
実際の彼女も愛らしさもあるものの、なかなか芯の強そうな風貌で、
監督も会った瞬間に「この人しかない!」と確信したそうです。

3.jpg

そして身勝手極まる男ですね!野口米次郎には中村獅童
何でもこの話が来た時には、彼自身が女性関係でマスコミを賑わせていた時だそうで、
そのグッドタイミングに自分でも思うところがあったそうですよ~[わーい(嬉しい顔)]

それと適材適所の脇役陣で、津田梅子を原田美枝子が演じ、
実際にもレオニーと交流があったという小泉八雲の妻であるセツを竹下景子
それにレオニーの生徒として3人の男性が登場するのですが、
その3人のうち、もしかしてこのどちらかがアイリスの父でしょうか?
落ち着きのある茶人を中村雅俊が、そして若き書生を柏原崇が演じていました。

5.jpg

映画自体は淡々とレオニーの生涯を描き、特別印象に残ったシーンもなく、
観終えた時には、可もなく不可もなくかな?なんて思いましたが、
日本とアメリカを股に掛けたこの映画の製作には7年の月日が費やされたそうで、
その為に監督が移動した日米間の距離が地球13周半だったと知り、
自らの意志で自分らしく生きようとするレオニーが、
まさしく松井監督自身のようで、今年で64歳だそうですが、
スタイリッシュで若々しく、バイタリティ溢れたご本人をインタビューで見るにつけ、
同じ女性の先輩として、憧れと羨望を抱いてしまったわたしです~~[揺れるハート]

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あしあと 12

コメント 14

よしあき・ギャラリー

中村獅童は、はまり役のようですね。^^
by よしあき・ギャラリー (2010-11-24 18:15) 

kaoru

こんばんは~

この映画のチケットを
職場の方に先日いただいたので
来週見に行こうと思っていたところです^^

だから
内容はまだ読んでないの^^;
見てきたら読みますね~

マイナーな映画みたいなのに
近所の映画館で上映していてくれてよかった^^


by kaoru (2010-11-24 20:08) 

たいちさん

母に負けず、野口勇の生涯も波乱多いですね。李香蘭と結婚したことで有名ですね。先日訪問した万博公園にも彼の作品があるそうですね。機会あれば、この映画も観たいですね。
by たいちさん (2010-11-24 20:21) 

雀翁

波乱万丈の生涯です。恥ずかしながら、主人公も主人公の息子のことも知りません。ただあの時代、国を超え、実際海を越えて生き抜くには、想像を絶する苦労があっということは間違いありません。私の贔屓にする原田美枝子が出ているのは、うれしいことです。

>この強き母がいたからこそイサム・ノグチがいるのだ

先日息子が来て私の時計とネクタイと本を持って帰りました。なぜ父親の持ち物が欲しいのかよくわかりません。時計はちょっとした記念の品だったのですが、1度もしたことがなく、息子が欲しいというのであげました(ネットで販売したりしないよう願っています)。このアホ父にしてこのバカ息子ありというようなことにならないようにしてもらいたいものです。

例によって突っ込むポイントがかなりずれてしまいました。

by 雀翁 (2010-11-24 20:35) 

maki

ひぇ~~~
7年もの歳月を費やした執念の作品が、

>特別印象に残ったシーンもなく、
観終えた時には、可もなく不可もなくかな?

とバッサリ^^;?!

ンー、でも日本のこの手の映画って確かにそういう傾向にある気がします。
by maki (2010-11-25 00:49) 

collet

★marieさんポチッとありがとう~~^^;

★よしあきさんへ
さて、その真相は定かではないですが・・・
ヤケにシックリと役に成り切っていたような!?(~o~)

by collet (2010-11-25 10:54) 

collet

★tomiyoshiさんポチッとありがとうございます~^^;

★お久のkaoruさんへ
お~観てきて!観てきて~~(^o^)/
2時間以上の作品だけど、時間の長さはチッとも感じなかったわよ!
やはり波乱万丈の人生だからね・・・

それと日米合作だけど、何ともハリウッドっぽくカッコ良かったです。
そんなとこも松井監督に憧れる原因かも~~♪

とにかく、またあとで感想を聞かせてね~~(^_-)-☆
by collet (2010-11-25 11:02) 

collet

★たいちさんへ
そうですね~わたしもチラッとしか知りませんが、
戦争中は収容所に自ら入ったとか・・・
それと李香蘭=山口淑子さんと結婚してらしたんですってね!
今回、初めて知りましたが国際派の2人で大ニュースだったのでしょうね。


★雀翁さんへ
ちょうど「坂の上の雲」と同じ時代ですね。
当時のニューヨークのシーンなど観ながら、
アメリカ留学中の秋山真之を思い出してました~(~o~)

それから原田美枝子は少しだけの登場でしたが、
全てが英語での演技でいつになく緊張したそうですよ。

>アホ父にしてこのバカ息子あり
あはははは・・・(~o~)
それは心配し過ぎというものでしょう!
単に、時計もネクタイも数が欲しくてその一つにと思ったのでは?
とにかく、ブランド品でもなく、勿論プレミア付きでもなく・・・
タダで貰った時計や使い古しのネクタイ、それに古本なんて、
ネット販売しても梱包するのが面倒臭いだけでしょう~~(^^ゞ
by collet (2010-11-25 11:20) 

collet

★Reiさんポチッとあしあとありがとう~~(^^ゞ

★今造ROWINGTEAMさんもありがとう~それと楽しみにしてま~す(^^♪
by collet (2010-11-25 11:23) 

collet

★makiちゃんへ
あのね~ご本人達の入れ込みが大きいのはよく理解できますが、
第三者の立場で見た場合、
それが必ずしも心にグッとくるかというとそうではなく・・・

まあ、観賞後の言いたい放題については、
お金を出して映画館まで出向いた者に与えられた特権だと思ってます~(^^ゞ
あっでも、決してツマラナイ映画ではなかったですよ~~!

★ゆずさんこちらにもありがとうございます~^^;
by collet (2010-11-25 11:32) 

mint_tea

「レオニー」見たいです!!
外国でシングルマザーしてる友人を思い出しました。
働きながら趣味の講師もして子供を育てる友人は
誰よりも充実してるように見えてしまう時があります。
日本に帰ってくればいいのに~などと身勝手に思ったり
こんなに芯の強い人だったんだなぁ…と感心したりしてます。
原作も読んでみたいですね。
by mint_tea (2010-11-25 20:41) 

collet

★mint_teaさんへ
どうぞどうぞ~~
お友達を思いながらご覧下さいませ~(^_-)-☆

それにしても、この映画を見ながら思いましたが、
やはり母は強しで、、、
子供がいればこそ頑張れるんじゃないかと思いました。
それと、レオニーにも頼れる親友が登場しましたが、
同性の友達も大事ですね~(*^^)v

それからドウス昌代の「イサム・ノグチ~宿命の越境者」という、
イサムを描いた本はありますが、レオニーを描いたのはなく、
脚本を書く時から大変だったそうです。
でも、この脚本を元に小説になりそうだけど~(^^ゞ
by collet (2010-11-26 11:39) 

dolfin

自分もイサム・ノグチという名前だけは知っていました(^^ゞ
そのお母さんの映画なんですねー。
日米の戦争の影響を受け離れ離れになったなんて・・・。
太平洋戦争は悲しい出来事だったんだとつくづく思ってしまいます(>_<)。そして、女性は強いんだなあ。
by dolfin (2010-12-01 21:10) 

collet

★dolfinさんへ
そーでしょう!
イサム・ノグチという名前は知ってても、
どんな事をした方かは知らなかったですね~(>_<)

ところでdolfinさん、これは20世紀初頭のお話なので、
戦争は戦争でも、まだ日露戦争の頃なんですよ~~(^^ゞ
でね、お母様のレオニーは太平洋戦争前に亡くなられ、
勇さんは収容所に自ら入られたそうです。
きっと、苦労なさったことでしょう・・・(;一_一)
by collet (2010-12-02 11:24) 

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