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舞台「日の浦姫物語」大阪公演をみて [舞台]

久々のお出掛けで、シアターBRAVA!にて観て参りました。
作は井上ひさしで演出が蜷川幸雄という豪華な舞台~[ぴかぴか(新しい)]

日の浦姫物語
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うぅ~ん、それにしても・・・
親子ほど年の差がある大竹しのぶを
ヒシと抱きしめる藤原竜也のこのポスターを初めて見た時、
何とも意味深に思いましたが、やはりと言うかナンと言うか・・・
内容もソレに違わず何ともややこしいストーリーでした~[台風]

舞台は客席から登場した、
薄汚い身なりで各地を転々とし日銭を稼ぐ説教聖と、
赤子をおぶった三味線ひきの女房の登場で始まり、
やがて「日の浦姫物語」の説教を語り出すのでした・・・

時は藤原道長が我が世の春と詠った平安中期、
米所として名高い奥州・米田庄が舞台です。
そこに産後に母を亡くし、そして今父を亡くした、
美しく仲の良い稲若と日の浦姫という双子の兄妹がいたのですが、
この兄妹、仲が良過ぎて15歳のある夏の夜に禁忌を犯してしまうのです。
そして、そのたった一度の交わりで日の浦姫は兄の子を宿してしまい、
それを知った親代わりの伯父によって、日の浦姫は伯父に引き取られ、
また兄の稲若は都へ向かうその道中に事故死してしまうのでした。
そんな悲しみの中、男の子を産んだ日の浦姫は、
泣く泣くその赤子を小舟に乗せ、手紙と鏡と砂金袋を持たせ海に流したのでした。
そして18年が経ち、魚名と名付けられたその子が親を探す旅の途中、
偶然に日の浦姫が棟梁となった米田庄に立ち寄り、
若武者魚名が危機を救ったことからお互いに惹かれ合い、二人は夫婦となるのでした。
がしかし、日の浦姫が身籠った時、魚名が隠し持つ手紙や鏡を見付け、
自分の子だったと知ることとなり・・・

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と、このようにまるでギリシャ悲劇のようなドロッドロの内容なのですが、
そんな悲劇の中でも笑いがあり、サスガ井上ひさし作品!
一瞬にして喜劇となる楽しく面白い舞台でありました。

それにしても、15歳から53歳までを演じた大竹しのぶ
可愛く愛くるしい少女時代から、34歳の艶やかな女ざかり、
そして髪に白い物が交じった53歳となるまで、
彼女の演技の確かさを今更ながらに感じた舞台でした。

そして、今年で30歳だそうな藤原竜也の瑞々しい若武者ぶりの素敵なコト!
演技力もさることながら、雅な衣装に身を包み、
キリリと前を見つめる姿についつい見惚れたのはわたしだけではないでしょう~[揺れるハート]

また、物語の語り部を担った説教聖役の木場勝己立石涼子のお二方、
幕開きの木場さんの凛と響く素晴らしい声にハッとさせられ、
立石さんとの絶妙な間の取り合いに、
ベテラン同士の息の合った芝居が心地良かったわたしです・・・

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舞台「サイケデリック・ペイン」大阪公演をみて [舞台]

どうにか大阪の森の宮ピロティホールで、最終日の昼の部を観ることができました。
ちなみに、千秋楽だと思ってたら、夜の部が追加となってたそうで、
ラク独特のノリにイマイチ欠けてたのが残念でした~[ふらふら]

サイケデリック・ペイン
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数々のヒット曲を手掛ける作詞家の森雪之丞
その彼がロックオペラを夢見て初めて書いた戯曲で、
演出はお馴染み劇団☆新感線のいのうえひでのりです。
このお二人、何方かのお迎えか?ロビーに並んで出てらっしゃいましたが、
白い手の模様が個性的な真っ黒のスーツをスキッと着こなす雪之丞さんに比べ、
いつもと変わらぬヨレヨレのGパンとキャップにTシャツ姿のいのうえ氏、
出で立ちは何とも対照的でしたが、舞台の息はバッチリで~[手(チョキ)]
見どころ、聴きどころ満載の楽しい舞台となっておりました。
また、ロックオペラということで、音楽はといいますと、
長年の雪之丞さんの朋友、布袋寅泰が初の舞台音楽を手掛け・・・
お陰でギターサウンド満載で~ギンギンに楽しませていただきました~~[るんるん]

物語は、2060年代の近未来・・・
人気上昇中のロックバンド「サイケデリック・ペイン」のヴォーカル詞音が
「世界を救えるのはあなただけ。あなたは救世主です。」と訴える
天使ソフィに出会ったところから始まります。
そんな毎夜現れるソフィが孤独を抱えていた詞音にとっていつしか特別な存在となり、
幼い頃からロックを信じ共に夢に向かって来た、
バンドのギタリストでもある魁人の忠告にも耳を貸さず、
ついにはバンドを辞めると言い出すのでした。
そして、バンド初の野外音楽堂でのライブの最中に、
ソフィへの愛を証明するため救世主としての宿命を受け入れた詞音は、
悪魔を崇拝する秘密結社ダークネスと天使親衛隊との争いに巻き込まれるのでした・・・

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というわけで、このサイケデリック・ペインのライブは実際に舞台上で行われ、
客席では、観客の皆さんがペンライト片手に総立ちとなってノリノリです。
でね、このライブが素晴らしい~~[ぴかぴか(新しい)]
このままロックバンドとしてデビューできるのでは?と思える程で、
いろんな才能を持った俳優に心から拍手しておりました。

そんな演じ歌う詞音には福士誠治
福士くんの舞台は「クローサー」「テンペスト」につづき3度目ですが、
そんな全く違う役柄を完璧に演じ、また今回は完璧に歌う姿まで見せられて、
舞台役者としての彼の魅力を存分に感じることができました。
そして魁人を演じた綾野剛
「カーネーション」では三味線を弾いていましたが、
ギターはバンド経験もありお手の物のようですね。
ロン毛でギターをかき鳴らしながらシャウトする姿は、
どこから見ても間違いなく、ロッカーそのモノでしたね~[手(チョキ)]
また、その他のメンバーには、前述の2人同様に、
朝ドラ出身者で「どんと晴れ」に出演した内田朝陽がキーボードを、
そしてベースにはシンガーソングライターの前川紘毅でドラムは松田翔でした。

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でね、歌の上手さで驚いたのは彼らだけではなく、
コスプレ衣装のソフィを演じたこれが初舞台だった北乃きい
すでに歌手デビューもして歌には定評があったようですが・・・
こんなに綺麗な澄んだ声だったとは!こんなに歌が上手かったとは!!
全く知らずにいたわたしは、彼女の実力に本当に驚きました~[目]
この様子じゃ近々、ミュージカルのお話が来るかもね!?

そして他にも片瀬那奈のセクシーでコミカルな芝居を楽しみ、
我らが橋本じゅんの登場には、サスガ大阪!客席全体が大いに湧き、
最後まで大いに楽しませていただいた舞台でした。

あ~それにしても、つくづく夜の部じゃなかったのが悔やまれるゥ~[もうやだ~(悲しい顔)]
きっとカーテンコールは、さぞかし盛り上がったんでしょうねェ・・・

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舞台「十三人の刺客」大阪公演をみて [舞台]

今日が千秋楽ですが、そのラス前となります昨日、
大阪上本町の新歌舞伎座で観てきました。

十三人の刺客
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ラストの迫力ある殺陣や、稲垣吾郎の初の悪役で話題となった、
三池崇史監督の映画でもお馴染ですが、
今回、マキノノゾミ演出、脚本で舞台化されるにあたり、
池宮彰一郎の原作をもとにして新しく、新左衛門の妻が登場しています。

そんな舞台の幕開けは、
若かりし島田新左衛門と鬼頭半兵ヱが共に腕を磨いた道場で、
最後の手合わせをしているところでした。
今までずっと新左衛門に負い目を抱いていた半兵ヱが、
時の将軍・徳川家慶の弟で悪評高き明石藩主・松平斉韶の側用人となり、
初めて新左衛門の上位になれたと言い置き旅立つのですが、その十年後・・・
斉韶の常軌を逸した暴虐ぶりに幕政の行く末を案じた老中が斉韶暗殺を決意し、
お目付役の新左衛門に密命を下すのでした。
そして、新左衛門と主君を守らんとする半兵ヱは戦うこととなり・・・

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島田新左衛門を演じるのは高橋克典
彼の時代劇は珍しい上、舞台は13年ぶりだそうですが、
最近は渋味も出て堂々と演じ、
誰にでも信頼を寄せられる上司の新左衛門にピッタリだと思いました。
そして、鬼頭半兵ヱを演じるのは、これが初舞台だそうな坂口憲二
何でも彼の初舞台ということで、
事務所の先輩である高橋克典が出演を決めたとか!?
すでに東京公演を終えており、初舞台にしては落ち着いて見えましたが、
そこかしこに先輩の気遣いを感じたのはワタシだけかしら?
ましてや昨日は、幕開き早々にカツラが脱げるハプニングがあり、
そんな時も先輩の気の効いたフォローを有難く思ったことでしょう。
ちなみにカーテンコールでの坂口くん、
頭に手をやってからの「ゴメンナサイ」の仕草がとても可愛かったです~[わーい(嬉しい顔)]

そしてそんな二人が恋し、新左衛門の妻となった奈緒を演じたのは釈由美子
彼女もまだ舞台は2度目だそうですが、
武家の奥方としての凛とした美しさを感じました。
また、つくづく上手いな~と見入った西岡德馬
新左衛門が一番頼りにする倉永左平太を演じてましたが、
セリフ回しといい、動きといい、本当に初老の左平太そのもので、
今更ながらに感心して魅せられておりました~[ぴかぴか(新しい)]
それから、吾郎ちゃんの名演(怪演)が目に焼き付く斉韶を演じた袴田吉彦
映画の印象が強過ぎ、チト気の毒に思いましたが、
彼にとっても珍しい悪役だったのでしょうね。

実のところ、幕間までは眠気と戦っていたわたしですが、
映画ほどでは無いにしろ・・・
サスガに血のりが吹き飛ぶラストの大立ち回りには眠気も吹っ飛び、[目]
舞台装置の上手さに感心しながらジックリ見入ることができました。

それにしても、前から2列ほどの観客はビニールシートで覆うほどの血のりの嵐![台風]
あんなに衣装も汚れ、毎回の洗濯も大変だったでしょうね・・・

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舞台「陽だまりの樹」大阪公演をみて [舞台]

今年の春は、観劇三昧のcolletですが、
その締めくくりとして昨日は、
新歌舞伎座で公演中のこちらを見てきました。

陽だまりの樹
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かの手塚治虫の長編歴史漫画として有名で、すでにTVアニメや、
現在、BSプレミアムでドラマ化されているのでご覧の方も多いと思います。
それが樫田正剛の脚本・演出で舞台化され、
先月、東京公演を終え、今月は大阪公演につづき名古屋公演が控えています。
そしてTVでは成宮寛貴が演じる蘭方医の良庵を上川隆也が、
また市原隼人演じる伊武谷万二郎役をこれが初舞台という吉川晃司が演じており、
2人は同い年だそうで、TV版よりは平均年齢が随分高そうですね~[わーい(嬉しい顔)]

さて、そんな舞台は・・・
徳川幕府と同じように見た目は立派でも、
中は虫に食われ終焉間近な樹齢250年の桜の木の下で偶然出会い、
敵対する漢方医が放った暴漢に襲われた良庵を万二郎が助けたことから始まります。
女好きでお調子者の良庵と、剣の腕は立つけど世渡り下手な万二郎、
どう見ても水と油の二人ですが、
医者として、また徳川幕府を守らんと、
それぞれに確固たる信念を持っていたのでした。
そんな二人が幕末という動乱の世に翻弄されながらも、
それぞれの立場で生き抜こうとする男の友情物語です・・・

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3時間ちょっとの舞台ですので、ドラマのようにエピソードは多くなく、
後半の怒涛のごとく移り変わる時代の流れは俳優達のセリフで表し、
決して解り難さはありませんでした。
その点では、観客の平均年齢がお高めな新歌舞伎座ゆえか?
懇切丁寧に説明してくれてるようで、先週の舞台との大きな違いを感じました。

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それにしても、舞台にもいろんなのがあって、
テンポ良いのを見慣れたせいか?暗転の長さには拍子抜けしつつも・・・
それほど大きくない舞台を前から2列目で観られる心地よさ~[ぴかぴか(新しい)]
いつもとは少し違い、アドリブを入れながら飄々とコミカルに演じる上川隆也も、
初舞台ながら、殺陣も見事に堂々とひたむきな男を演じる吉川晃司も、
また的外れのアドリブで笑わせてくれた良庵の父良仙役の石倉三郎
その他の俳優たちもみんな近くに感じることが出来・・・
美しいラストシーンで膝に落ちてきたピンクの花びら共々、
いつも以上に観劇の醍醐味を感じることができ、
大いに楽しませていただけた舞台でした~[揺れるハート]

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劇団☆新感線「シレンとラギ」大阪公演をみて・・・ [舞台]

昨日は、1日中雨が降り・・・
また、強い風が吹いた関西地方でしたが、
そんな悪天候なんかモノともせず、梅田芸術劇場まで出掛けて参りました~[るんるん]

劇団☆新感線2012年春興行
いのうえ歌舞伎
シレンとラギ

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お馴染み中島かずきの作で演出はいのうえひでのり
そして、いつも楽しみにしている彼らの舞台を
より以上に楽しみにさせてくれたのが、藤原竜也の初出演でした。
いえね、以前からずっと、若き演技派舞台俳優の彼を観たかったんですよね~[ぴかぴか(新しい)]
それが今までは中々叶わず、ずっと悔しい思いをしていたもので、
何が何でも今回こそは!!と心を決め、ようやく観ることができたのでした・・・

物語は、南北に分かれた2つの王国が舞台で、
その北の国の侍所であるキョウゴクの息子ラギと、
父の命で、南の独裁者ゴダイ大師を暗殺した美しい毒使いの女シレン2人を軸に進み、
その死んだと思っていたゴダイが20年ぶりに息を吹き返したことから、
再び命を受け、シレンがラギを伴い南へ行く所から始まります。
そして、誰が敵か味方か解らなくなるほどに話しは二転三転し、
その二つの国を支配しようとする人々に翻弄されることとなるのですが・・・

いやぁ~正直言って、今回のお話はチト解り難かったワタシ~[ふらふら]
どうにか、話の動きにはついて行ったものの、イマイチ理解してない個所もあり、
何かしらの不満が残るかと思いきや、そんなことは決してなく、
それよりも・・・さも面白そうに楽しそうに、
舞台の上で演じる俳優達を観ることが出来、それだけで満足し、
終わった時にはただただ演じた彼らに拍手を送っておりました。

中でも、W主演となったラギの藤原竜也とシレンの永作博美、良かったですね~[ぴかぴか(新しい)]
まだ幼さの残るラギを演じる藤原くん、端正なお顔にキラキラ光る目が何とも美しく、
演技共々、彼の魅力に参った方も多かったことでしょう。
それと、どちらかというと童顔で少女っぽいと思っていた永作博美が、
大人の女性を艶やかに演じているのを見て、
ここ数年の演技派女優としての彼女の活躍を思い浮かべておりました。

そして、死んだと思っていたら生き返ったゴダイを演じた高橋克実
「梅ちゃん先生」を毎朝見てるもので、
思わず「お父さんだ」と言いそうになりましたが、あの厳格なお父さんとは違い、
女好きで憎たらしく、また面白く存在感抜群に演じてサスガと思いました。
また、彼が一番の悪役でしょうか?キョウゴクを演じた古田新太
それに橋本じゅん高田聖子粟根まことと、久々に劇団員全員が勢揃いし、
とても華やかで賑やかな舞台となり、大いに楽しんだのは言うまでもありません~[るんるん]

それにしても、今年はどういう訳か?観劇のチケット運の良いワタシ・・・
先月の「幻蝶」も前から5列目でしたが、今回も4列目という好位置で~[手(チョキ)]
わたしがこのチケット入手困難な人気劇団のファンとなり、
初めてこんな前の席をゲットできたもので・・・
役者の表情は勿論、リリー小峰さんの凝った衣装の隅々までもがジックリ見られ、
余計に満足したのかもしれませんね~[揺れるハート]

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